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ドライマウス潜在3000万人/照山裕子の健康連載

9/15(土) 10:00配信

日刊スポーツ

<防げフレイル!人は口から老いていく(36)>

ヨーロッパの口腔(こうくう)内科学会の報告によると、ドライマウスの発症頻度は人口の約10%とされています。それ以上の高頻度で見られるという論文もあります。日本ではこれまで正確な疫学調査が行われていませんが、800万~3000万人程度の潜在患者がいるといわれています。

認知度が低いため、自己流で症状を改善しようとする方も少なくありません。私がかつて拝見した中には、口の渇きを改善するためにタブレット状の清涼菓子を過剰に摂取し、味覚障害を併発した患者さんがいました。ドライマウスかも…と感じる症状があれば、まずは歯科にご相談ください。症状や年齢に応じて眼科や内科、婦人科等と連携を取り、その原因を探りながら治療を進めることが改善への近道になりますし、前回お話ししたようにドライマウスが全身疾患の予兆である可能性もあります。

義歯(入れ歯)が合っていないために十分にかめない、唾液が分泌されないという方であれば、適切な義歯調整を行う程度で快方に向かいますが、シェーグレン症候群などの場合には唾液の分泌を促進させる薬を処方したり、保湿効果の高い洗口液やスプレー、ジェル等を適宜取り入れて対処していきます。保湿ジェルを指で口全体に塗ると唾液腺が刺激され、分泌促進効果も期待できます。高齢者や要介護者のケアにも大変便利です。

その他、歯型を取って作る専用のマウスピースがあります。就寝時に上顎に装着して使用します。上顎には無数の唾液腺が張り巡らされていますので、これを覆うことで唾液の蒸発を防ぐ効果があります。就寝時に使用するツールとしては、口呼吸防止テープもあります。唇に貼り付けて口を開かなくすることで、口呼吸による唾液の蒸発を防止します。外出時は保湿スプレーを使い、夜はマウスピースを装着するなど、シーンによっての使い分けも症状緩和に役立ちます。

◆照山裕子(てるやま・ゆうこ)歯学博士。厚労省歯科医師臨床研修指導医。分かりやすい解説はテレビ、ラジオでもおなじみ。昨年出版した「歯科医が考案・毒出しうがい」(アスコム)は反響を呼び、ベストセラーとなった。近著に「『噛む力』が病気の9割を遠ざける」(宝島社)。女性医師のボランティア活動団体「En女医会」会長。

最終更新:9/16(日) 3:56
日刊スポーツ