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<映画>海外も注目する「あみこ」 アンコール上映決定

9/16(日) 10:00配信

毎日新聞

 ポレポレ東中野(東京都中野区)で9月1日から7日までの限定レイトショーとして公開され、異例のヒットを記録した自主映画「あみこ」(2017年)が、9月22日から10月5日、同館で再上映される。先の上映では女子高生を含む多くの観客が駆けつけ、補助席や立ち見席も連日完売。レイトショー終了後の午後10時半から急きょ「スーパーレイトショー」を設けるほどの人気で、1週間で1179人を集客した。脚本、編集も手がけた山中瑶子監督(21)は「この映画が、届くべき人に届いたらうれしいです。直感で見にきてください」と力強く語る。【西田佐保子】

 ◇坂本龍一さんもツイッターで絶賛

 長野県に住む自意識過剰な女子高生、あみこを描いた物語。あみこは自分と同じ「トム・ヨークのファン」であるサッカー部員、アオミくんに恋をする。ある日、アミオくんが家出をしたことを知ったあみこは……。

 当時19歳だった山中監督が「自分を救いたい。無理にでも他人を巻き込んで、自分一人では作れない劇映画をすぐにでも作らないといけない」と思い立ち、日本大学芸術学部映画学科を休学中に作り上げた作品だ。17年のPFF(ぴあフィルムフェスティバル)で観客賞を受賞し、第68回ベルリン国際映画祭のフォーラム部門に、史上最年少の監督作品として正式出品された。

 他にも、香港国際映画祭、全州映画祭(韓国)、ファンタジア国際映画祭(カナダ)など現在までに九つの海外映画祭で上映。ニューヨークで毎年開催される北米最大の日本映画祭「JAPAN CUTS」で同作を見た音楽家の坂本龍一さんが、短文投稿サイト「ツイッター」で「『あみこ』すごくイイよ、みて!」と投稿したことでも話題となった。

 ◇「映画を見て救われる人がいればうれしい」

 ポレポレ東中野のスタッフ、小原治さんも「あみこ」に魅せられた一人だ。

 PFFの入選作品を審査する「セレクション・メンバー」の一人でもある小原さんは、初めて「あみこ」を見たときの感想を、「入選作には、映画学校の教育の産物と思える作品も少なくないですが、この映画は山中さんが独学で撮りあげた、オリジナルの魅力にあふれていました」と語る。「一人でも多くの人にこの映画を届けて、かけがえのない経験をしてほしい」との思いで、配給会社や宣伝会社を通さず、山中監督と毎日話し合いながら宣伝・上映まで2人で進めた。

 「ここまでの集客は予測していなかった」と、小原さん。映画に火をつけたのは観客の口コミだった。大きな反響を受け、2週間のアンコール上映が決まった。「この映画が誰かにとっての忘れられない劇場体験になってくれたらうれしいですね」

 山中監督は「連日、老若男女たくさんの方々が見にきて感想を残してくださって、“高校生もの”とはいえ、間口は広い映画なのだと改めて感じました」と話す。その上で、先の上映を振り返り、今の思いを吐露した。

 「あまりにもたくさんの方に見ていただいてしまったので、『あみこ』がもう完全に私の手から離れるんだな、という少しの寂しさと、あとはやはり単純にうれしかったですね。自分の元から映画が、離れていったことも」

 ◇上映情報

【あみこ】

9月22~10月5日、連日夜9時からポレポレ東中野で上映

ポレポレ東中野 公式HP :https://www.mmjp.or.jp/pole2/

最終更新:9/16(日) 10:00
毎日新聞

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