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離島奪還には陸海空の連携急務 訓練場、鹿児島整備が現実的

9/16(日) 7:55配信

産経新聞

 離島奪還作戦を行う訓練場整備の方針が15日、明らかになった。中国の高圧的な海洋進出を受け、尖閣諸島(沖縄県石垣市)をはじめ南西方面の離島が占拠される恐れが強まる中、陸海空3自衛隊の統合運用による対処力の強化は待ったなしの課題だ。実現できなければ、平成25年策定の現行防衛計画の大綱で掲げた「統合機動防衛力」の構築は絵に描いた餅に終わりかねない。

 離島奪還作戦のシナリオはこうだ。

 陸自の水陸機動団で火力誘導という任務を担う隊員が、敵に占拠された島に潜入する。敵の拠点や装備の位置を観測し、機動団の迫撃砲部隊と海自護衛艦、空自戦闘機に位置情報を通信で伝達。護衛艦の5インチ砲と戦闘機のミサイルなどで敵の反撃を封じ、水陸機動団の本隊が上陸していく-。

 3自衛隊の装備を連動させ、敵に命中させるのは統合火力誘導と呼ばれ、統合訓練を重ねる必要がある。誘導隊員が目標にレーザーを照射し、戦闘機が投下する衛星誘導爆弾JDAMを目標に導く要領を習熟しておくことも求められる。

 水陸機動団は海自艦艇に乗り込み、定期的に東シナ海へ展開することを検討している。尖閣周辺にも展開し、中国の挑発に対する即応性を高める狙いもあり、離島奪還訓練場も沖縄県内に整備することが効率的だが、苦い経験がある。

 防衛省は民主党政権下の平成24年11月、米軍が爆撃訓練に使う無人島の入砂島(いりすなじま)(沖縄県渡名喜村(となきそん))で陸自の離島奪還訓練を計画したが、断念に追い込まれた。同年9月の尖閣国有化に批判を強めていた中国に政権が配慮した上、地元の渡名喜村が反対したためだ。

 沖縄県内では米軍を含めた基地や施設の増強になお抵抗感が強いことを踏まえれば、鹿児島県内の無人島で訓練場を整備することは現実的な方策といえる。 (半沢尚久)

最終更新:9/16(日) 7:55
産経新聞