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<北海道地震>警視庁特殊救助隊「生きて助けたかった」

9/16(日) 9:32配信

毎日新聞

 北海道南西部の胆振地方を震源とする震度7の地震で、厚真町に派遣された警視庁特殊救助隊の隊員が、毎日新聞の取材に応じた。「全ての遺体を遺族の元に届けることはできたが、生きて助けたかった」。安否不明者の捜索にあたった隊員は活動を振り返った。【金森崇之】

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 今回の地震で36人が亡くなった厚真町。大規模な土砂崩れは家々をのみ込み、屋根の一部だけが顔をのぞかせていた。「こんな光景は初めてだ」。地震発生当日の6日夕に現地入りした特殊救助隊の岩野徹警部補(45)と宮川康治巡査部長(42)は、ヘリからの光景に目を見張った。

 翌朝から本格的な救助活動が始まった。土砂とがれきに埋まった住宅。わずかな隙間(すきま)から、男性の背中が見えた。「もう少しで出してあげますよ」「頑張ってください」。がれきを取り除きながら、返事のない男性に声をかけ続けた。

 被災地で最後の安否不明者発見の一報が届いたのは、同隊が帰京する前日の9日だった。5日間の活動で生存者を見つけ出すことはできなかったが、岩野警部補は「最後の一人まで家族の元に返すことができて安堵(あんど)した。今回の活動の教訓を共有していきたい」と話す。

 10日に同隊が北海道を離れる時には、乗り込んだ自衛隊機の窓から、電気の戻った街の明かりが見えたという。宮川巡査部長は「被災地が復旧していく姿にほっとしながらも、『生きて助けたかった』という悔しさも感じる。今以上に体力も知識も高めていきたい」と力を込めた。

最終更新:9/16(日) 9:32
毎日新聞