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遅咲きのカメレオン俳優・安田顕 新作映画主演は「内面の気持ち悪さを監督に見抜かれての配役」

9/16(日) 17:49配信

スポニチアネックス

 今、引っ張りだこの俳優・安田顕(44)が公開中の映画「愛しのアイリーン」(監督吉田恵輔)で主演を務めた。作品ごとに別人の顔を見せるカメレオン俳優。大阪市内でスポニチの取材に応じ、過激な暴力や性表現も含まれるR―15指定の本作への思いや、所属演劇ユニット「TEAM NACS」(以下、ナックス)の大泉洋(45)への本音も明かした。(萩原 可奈)

 ドラマ「下町ロケット」「正義のセ」などに出演。名前は知らずとも、見覚えのある人も多いはず。北海学園大時代に演劇同好会の仲間とナックスを組み、活躍。北海道では“ヤスケン”の愛称で長く親しまれるが全国的なブレークは40代、と遅咲き。ここへきて主要な役が続き、旬を迎えている。

 本作では、女性経験がなく北国の田舎町で親と同居するコンプレックスだらけの42歳・岩男を怪演した。原作漫画で岩男は大男。見た目は似ても似つかないが、鬱屈(うっくつ)ぶりや不気味さなど、劇中の安田は恐ろしいほど岩男だった。「メークもせず、髪もそのまま。演技もうまい、へたではなく、そのとき感じたままをさらけ出していこうと決めて臨んだ」という。

 端正な顔立ち、若くして結婚、初対面の印象も物腰柔らかな好漢だが、岩男と同じく、コンプレックスはあると語る。「普段は口数が少なくて、ディベートも苦手。意思疎通には決して長けていない」。

 R-15作品だけに目を背けたくなる場面もあるが、「そういうシーンにこそ、この作品の魅力を感じるんですよねえ…」としみじみ。「人の愚かさ、醜さがいやというほど描かれてますが、ものすごい熱量につながっている。ラブシーンもまったくいやらしさを感じず、むしろ涙が出た」と力を込めた。

 濃厚な濡れ場などは、「下町ロケット」で認知した人には衝撃だろうが、本人は「通常運転です」と涼しい顔だ。映画「HK/変態仮面」では変態仙人役で際立つ個性を発揮し、本作でも「内面の気持ち悪さを監督に見抜かれての配役だと思う」と苦笑い。北海道ローカルのバラエティー番組では脱衣、牛乳の早飲み&リバースなどで爆笑をさらってきた。「この1、2年うれしいのは剃毛しないでいい事(笑い)。昔は仕事で年に1回してた」。筋金入りの“体を張るキャラ”である。

 ナックスでは大泉が、大学時代から「水曜どうでしょう」でタレントとして真っ先に売れた。東京進出後も大泉はすぐに役者として成功したが、安田は仕事がいっこうに増えない。「結婚して子どもも誕生し、初めて焦りが生まれた。大泉の事は応援してるし、あこがれるけど、うらやみもあった」。

 今やメンバー全員が活躍。来年度前期のNHK連続テレビ小説「なつぞら」に安田ら3人の出演が決まり、大泉との格差もすっかり縮まった。「ナックスを始めた時に根拠のない自信はあったけど、今の需要は予想しなかった。バラエティー時代から支えてくれる人への感謝が原動力。今ここまでやれるなら、10年後にはもっとできるはず」と、発展途上をアピール。安田、そしてナックスの快進撃はまだまだ続きそうだ。