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北海道震度7地震 阿寒、知床…被災地離れても大きな影響 3連休の北海道 観光客は「元気になって」

9/16(日) 19:04配信

産経新聞

 北海道各地の観光地は3連休2日目の16日、予約キャンセルなどで大きな影響を受けているが、徐々に観光客も戻り始めた。札幌市中央区の大通公園で行われる北海道の食の祭典「さっぽろオータムフェスト」が15日に8日遅れで開幕。全道でキャンセルが相次ぎ被災地に遠い地域にも影響を与えたが、少しずつ元気を取り戻そうとしている。

 さっぽろオータムフェストは毎年この時期に行われ、北海道各地のグルメを楽しむことができることから観光客にも人気で例年200万人が訪れる。初日は快晴に恵まれたこともあって、まずまずの人出になったという。

 地元の特産品を出店する「ふるさと市場」の会場。摩周湖観光協会では、開幕の遅れで人気メニューのメロンソフトに使うメロンが大量に余ってしまった。出店している弟子屈ラーメン経営、菅原憲一さん(71)は「丸1週間営業できなかったのは痛い。応援したいという知人を中心にメロンを買ってもらった。これから、営業できなかった分を取り戻していきたい」と意欲を見せる。

 被災地から離れた道東の観光名所、硫黄山(弟子屈町)の駐車場は例年なら連休中の16日、観光バスがずらりと並んでいるが1台も止まっていなかった。震災から1週間はほとんど客が来なかったが14日から中国系の観光バスも数台立ち寄るようになったという。

 地震発生の6日に、新潟から北海道・小樽にフェリーで向かうはずだった長野県伊那市の元居酒屋経営、川手光広さん(67)は「新潟まで行きましたが震災と大停電を知り、北海道行きをあきらめた。電気が復旧したので仕切り直して11日に小樽に入りました。不便は感じない。1カ月かけて車で北海道旅行を満喫します」と話す。

 15日にフェリーで小樽入りした東京都青梅市の公務員、紺野衛(まもる)さん(46)夫婦は「車にはいざというときのために一応、水やカップラーメンは積んできました。連休というのに観光地はがらがら。よい季節なのに大変だと思う。北海道に元気になってほしいのでお金を使いたいと思います」。東京都在住のフランス人男性、会社員、ファブリス・モンクンさん(33)は「レンタカーなら車で移動できるため計画どおり千歳空港で車を借りて旅行を決行することにした。ガソリンが心配でしたが問題なかった」と北海道旅行を楽しんでいる様子だった。

 6日以降、道内の宿泊施設の予約をキャンセルしたのは延べ94万2千人で、飲食などを含む観光全体の損失額は推計約292億円。影響は道内全体に広がっている。

 北海道観光振興機構副会長で阿寒観光協会まちづくり推進機構理事長、大西雅之・鶴雅ホールディングスグループCEOは「北海道は広く、阿寒や知床など電気が通りさえすれば地震の影響はないが、予約のキャンセルが相次いでいる。計画停電の恐れもなくなり安全なので来てほしいとアピールしたいところだが、被災者のことや絶対安全といえるのかという声もあり、アピールの仕方が難しい」と苦しい胸の内を明らかにした。

 日本旅館協会北海道支部連合会の桑島繁行相談役は「これから秋のシーズンというときだったが、12月の予約まで取り消しになった。東日本大震災のときは戻ってくるのに半年以上かかった。今回も停電が痛かった。流氷シーズンに向け、インバウンドにむけて情報を発信していかなければならない」とため息まじりだった。(杉浦美香)

最終更新:9/16(日) 19:29
産経新聞