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元気はつらつ高齢者劇団 蜷川幸雄氏の活動継承 29日から初公演

9/16(日) 22:24配信

産経新聞

 平成28年5月に亡くなった演出家、故蜷川幸雄さんが企画した高齢者による演劇集団を引き継ぐ劇団「ゴールド・アーツ・クラブ」が今月末の初公演に向けて連日、稽古に励んでいる。稽古に汗を流す劇団員は若々しく「楽しい」と口をそろえる。本番は29日から。舞台に立つ日を心待ちにしている。(飯嶋彩希)

 初公演は、彩の国さいたま芸術劇場(さいたま市)などで22日から開かれ、国内外の高齢者が演じる舞台芸術の国際フェスティバル「世界ゴールド祭2018」で披露する。病気でもないのに病気と思い込む男性に対し、病気ではないことを気付かせようとする周囲の奮闘ぶりを描くストーリーで、モリエールの喜劇「病は気から」を原作に、ノゾエ征爾さんが演出を手がける。

 劇団は昨年、蜷川さんが生前に企画した1日限りの群集劇「1万人のゴールドシアター2016」に参加した高齢者を中心に発足した。「より多くの高齢者に演劇を通して輝いてほしい」という蜷川さんの考えを引き継ぐ活動拠点と位置づけられている。

 本番に向けた稽古は7月31日から始めた。62~93歳の男女約千人の団員のうち、初公演に738人が参加する。これまでせりふがなく歌唱のみの参加だった出演者もいたが、今回は1つの役柄を複数人が演じるなど全員にせりふが割り当てられている。

 出演者を「太陽組」「月組」の2組に分けた全体練習後に、今月8日からは約70人ごとにグループに分かれ、声の抑揚から指先に至るまで緻密な指導が行われている。

 稽古に参加した埼玉県所沢市に住む団員の角田好雄さん(78)は「現代の日本社会にとてもなじみやすいストーリーなので、演じていて気持ちが入る。それに団員は高齢者だけで構成されているので、若い団員に体力でついていけないと感じることもないし、のびのびと演劇ができて楽しくてしようがない」と声を弾ませる。

 さいたま芸術劇場の担当者は「高齢者とともに輝く未来のためにアートは何ができるのか。超高齢社会でのアートの可能性を感じてほしい」と語る。

 「世界ゴールド祭2018」は、イギリスやオーストラリアの高齢者によるダンスグループや、シンガポール初の高齢者演劇グループなども参加する。

最終更新:9/16(日) 22:24
産経新聞