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マツダとスバルは対極。多くの人がロードスターの人馬一体を誤解している

9/16(日) 9:01配信

carview!

ステアリングにテレスコピック機能が付いた

2シーターオープンスポーツとして歴史を積み重ねてきた「マツダ ロードスター」がマイナーチェンジ。今回もまた職人気質の進化を遂げている。

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現行のロードスターは 4代目だ。最近のマツダ車の例に漏れず、ハードトップタイプの「ロードスター RF」の追加や、乗り味の向上を重ねるなど、モデルチェンジを待たずに細かなアップデートを導入している。このあたりの姿勢は、同じく年次改良を続けるスバルにも共通するだろう。

今回のマイナーチェンジの主題はエンジンで、ロードスターRFの2.0Lエンジンに大幅なパワー向上などの改変が施され、1.5Lにも相応に手が加わった。

試乗では他にも様々な熟成要素を感じた。この手の感覚に訴えかけるスポーツモデルは、自身で乗ってフィーリングを確認するのが大事だとは思うが、その際の目安になれば幸いだ。中古車などを探す際にも、4代目の2018年6月以降/以前のモデルが欲しいなどの、好みに応じた探し方もできるかもしれない。

まずはロードスターでシートポジションがビシッと決まらないと感じていたユーザーに朗報。ステアリングの位置を前後方向に調整できるテレスコピック機構が付いたのだ。調整幅は約3cm。やや窮屈感がある居住性に変わりはないが、ステアリングが遠く感じていた人はこれにて解消だ。テレスコピック機構を追加する場合、前方衝突試験を含めて衝突安全がやり直しになるなど、お金のかかった改良と言えるだろう。

ロードスターは走りやすいクルマじゃない

せっかくなのでロードスターを理解するためにも、マツダの考える「人馬一体」について掘り下げておこう。セレブぶって乗馬もたしなんでいた経験からすると、馬はデリケートでなかなかイメージ通りに動いてくれない。右の手綱を引けば右に行く…基本は確かにそうだが、馬によって左足が前に来たときに引くとスマートに曲がり出すとか、右足で軽く脇腹を押すといいとか、タイミングやコツが要るのだ。

ロードスターに乗ると乗馬の本質を思い出す。走りに優れるイメージが先行するロードスターだが、率直に言うと乗りやすいモデルじゃない。姿勢変化は大きめだし、連続するカーブなどでグラグラしやすい。クルマの状態を理解しようとせずに、ドライバーが独りよがりにハンドルを切れば、イメージ通りに旋回する爽快感など得られないのだ。

逆に、荷重変化やクルマの状態をつかみ、ハンドルを切り込む際にはアクセルを少しずつ戻すなど、運転の基本に忠実な操作を行うと、ロードスターは気持ち良く走る。理にかなった操縦の下では足回りにもさらなる余裕が出て、普段なら跳ねてしまうような旋回中の路面のうねりでさえ吸収してくれる。まさに運転スキルに相応の結果がストレートに得られるわけだ。

例えば、スバルが作るスポーティなモデルだと、圧倒的な安定感でドライバーを包み込み、誰がいつどのような環境で乗っても運転がうまくなったように走れる世界を大事にしているように思える。運転の善し悪しをクルマの動きに明確に出すマツダの「人馬一体」と、運転が上手くなったかのように走るスバルの乗り味の世界は、対極と言っていいほど違うとも言える。

なぜこんな話をしたかというと、ロードスターとロードスターRFの進化を確認して、2台が歩む道が違うと感じたからだ。前者は人馬一体感の追求、後者はスバルのように運転がうまくなったかのような乗り味の方向性の違いだ。

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最終更新:9/16(日) 9:01
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