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不妊に悩む男性…精巣を温めすぎ?精子数を正常に戻した方法とは

9/16(日) 7:20配信

西日本新聞

泌尿器科医コラム〈しもじもの話〉

 たん、たん、たぬきの○○は風もないのにぶ~らぶら。男性にとってとっても大切な精巣(睾丸(こうがん)、金玉)。それを入れている袋を陰嚢(いんのう)(金玉袋)と呼びます。

 陰嚢の働きは、精巣の温度調節をすることと精巣を衝撃から守ること。精巣が精子を作るためには、体温より2~3度低めが適しています。温度が上がると働きが弱くなります。そのため、体の外に垂れ下がっている袋の中で精巣はぶらぶらしているのです。

 陰嚢は、気温が低いときには縮こまり、体温や気温が高いときにはだらりと伸びる、伸縮自在の性質です。体温の影響を受けすぎないよう、精巣と体の距離を調節して精巣を適温に保っています。また、陰嚢の皮膚には汗腺が多いのでよく汗をかきます。しわしわなのは、表面積を増やして熱を放出するためです。夏は股間も熱くなる。股間が蒸れやすいのは、精巣の温度を適温に保つために陰嚢がせっせと働いている証拠です。

 あるとき、身長180センチ超、体重120キロ超の男性が不妊の相談で受診されました。「気を付け」「休め」の姿勢が多いお仕事です。この体格ですから「休め」の姿勢でも太ももが陰嚢を挟み、精巣へ体温が伝わっています。その影響か、精液検査では精子数が極端に減少していました。そこで「休め」のときは足幅をより広く、歩くときは少しがに股気味に、とアドバイスしたところ、2カ月後には精子数が正常な数に増加しました。

 24時間連続で陰嚢温度を測定してみると、歩いているときが最も低く、車の運転やデスクワークなど同じ姿勢で長時間座っているときが温度は上昇しています。もちろん長風呂やサウナでも上がりますし、ラップトップ型パソコンを膝の上で使うのは要注意です。

 男性は精巣を温めすぎないようにすることが大切です。デスクワークの多い人は、机の下では足を組まずに膝を広げましょう。そして1時間に1回は立ち上がって歩きましょう。「行儀が悪いぞ」「何をしているんだ」と注意を受けたら、「ただいま放熱中です」と答えれば、きっと上司も見逃してくれるはずです。

 (泌尿器科医・池田稔)

西日本新聞社

最終更新:9/16(日) 7:20
西日本新聞