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災害ボランティアなぜ必要 被災者の聞き役になれる、効率だけじゃない存在 ベテラン支援者が語る心構え

9/16(日) 13:15配信

qBiz 西日本新聞経済電子版

 西日本豪雨に台風21号、北海道南西部の地震と、今年7月からだけでも、大きな災害が相次いでいる。

「広島ではボランティア不足で被災地が疲弊」現地の状況を訴えるNPO代表

 発生から2カ月がたった西日本豪雨は被害が甚大で広範囲だったために、家屋の土砂出しや片付けなどを担う災害ボランティアの活躍がまだ続いている。

 九州からも休日に自費で被災地に通う個人や団体のボランティアがおり、頭が下がる思いだ。現地で活動する支援団体からは、「被災直後に比べてボランティアが減っており、まだまだ作業も残っているので人手は足りていない」という情報がある。

 涼しくなってから被災地に向かうという方もいるかもしれない。リピーターの方もいるかもしれない。災害ボランティアをするのが初めての方もいるかもしれない。

 装備や具体的な活動のノウハウに関する情報はネット上にも充実しているが、気持ちの面ではどんな注意が必要なのか。(三重野諭)

 8月、福岡県が災害ボランティアに興味がある人向けのセミナーを開いた。登壇者の1人は「震災がつなぐ全国ネットワーク」事務局長の松山文紀さん(46)。阪神大震災をきっかけに被災地支援に関わるようになり、各地の水害や地震などで生活再建に取り組んでいる被災地支援のベテランだ。

被災者の気持ちを知ると、活動に丁寧さが加わる

 松山さん:災害の発生は防げない。災害が起きると、行政は被災した人を全力で守る。人命を守る。行政の責務だからだ。ただ、最近は行政の力を大きく超える災害が起こっている。税収や人員が減り、行政の力も弱っている。行政も被災する。普段からぎりぎりの運営だと立ちゆかなくなる。

 被害範囲によっては行政だけではとても追いつかない。元々、行政は平等に大掛かりに支援することは得意。だけど個々に応じたきめ細かな対応は苦手だ。ボランティアには行政とも業者とも違う効果がある。  

ポイントは被災された方々の気持ちを知っておくこと。活動に一つ丁寧さが加わり、寄り添うようなサポートができる。

 被災された方は「まさか自分が」「何で自分だけ」と落胆している。どこにもその気持ちをぶつけられない人もいる。命が助かっても、家の中が土砂だらけ。何から手を付けていいか分からない。受け止めることで精いっぱいの方もいる。

 「もしかしたら、この地域はもう住めないんじゃないか」。生活の見通しが立たず、漠然とした不安と戦う人がたくさんいる。西日本豪雨の被災地にも、再建に向けて動き出せてない方がまだいる。

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