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関東大震災の土砂災害、北海道地震と「類似」識者が指摘 

9/16(日) 11:40配信

カナロコ by 神奈川新聞

 95年前の関東大震災による土砂災害に詳しい専門家の講演が15日、横浜市内であった。横浜や横須賀、山北など県内各地で多発していたが、とりわけ県西部では「(江戸時代の)富士山噴火の堆積物が崩落した可能性が高い」と分析。先の北海道地震で大規模な土砂崩れが起きた現場との類似性を強調した。

 講演したのは、砂防フロンティア整備推進機構の井上公夫技師長。

 公的な記録や体験記などから震災時の土砂災害を調べ、県内を中心に計170カ所で発生、少なくとも1064人が犠牲になったことを明らかにした。10万5千人余りという震災全体の犠牲者からみると比率は高くないが、「土砂崩れが起きた後に火災で焼失した現場もある」ため、死者はさらに多かったとみている。

 講演では、崩落地点が多かった横浜、横須賀の被害状況を当時の写真も用いて解説。鎌倉は「切り通しが崩れ、海岸を津波が襲ったため、陸の孤島になった」と、巨大地震の再来を見据えた教訓を指摘した。

 井上技師長が「北海道地震に似ている」と言及したのは、大規模な土砂崩れが起きた山北など県西部の山間部。江戸にも降灰があった1707年の富士山宝永噴火の際に積もった大量の火山灰の層が崩落したとの見方を示した。

 また、根府川の集落を襲った「山津波」、崩落により沢がせき止められてできた秦野の「震生湖」に関する調査成果や石碑なども紹介した。

 講演は、横浜市神奈川区の市民防災センターで30日まで開催されている震災空撮写真展の一環で行われた。