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広がる特設公衆電話 避難所に回線 災害備え構築 県内16市町設置

9/18(火) 9:12配信

愛媛新聞ONLINE

 災害時の有効な通信手段として近年、公衆電話が見直されている。携帯電話の普及により街頭では減っているものの、東日本大震災以降、学校や公民館など避難所に回線を事前に構築しておく「特設公衆電話」が急増。西日本豪雨時の県内や北海道胆振東部地震などでも使用され、緊急時の頼れる情報インフラとなっている。

 NTT西日本によると、公衆電話は「災害時優先電話」として通信規制の対象外となるほか、同社の通信ビルから回線を通じて電力供給を受けるため、停電時でも使用可能。特設公衆電話は、事前に回線の工事をしておき、避難所が開設された際には一般的な卓上電話機をつなぎ、避難者らが無料で利用できる。通常時は施設管理者が電話機を外し保管する。施設収容人数100人当たりに1台が設置目安とされる。
 2011年の東日本大震災で多くの被災者が安否確認をとる手段を持たず不安な思いをしたことから、全国の自治体で特設公衆電話の事前設置が急速に進んだ。西日本では13年3月末時点で約2500カ所、6200台だったのが、18年3月末には1万4307カ所(619自治体)、2万5575台に増えた。
 県内では16市町の353カ所に計743台が設置されており、西条市、八幡浜市、伊方町、松野町が未設置。
 電話機と配線・配管工事の費用は自治体の負担となる。同社は「設置費用は一般の電話と変わらないが、多くの避難所に設置すると費用がかさみ、予算の関係から難航する自治体もあるようだ」とみている。

 7月の西日本豪雨で、県内では宇和島市などで連絡手段に困る避難者が特設公衆電話を利用した。同市は「携帯電話を所持している人がほとんどではあったが、(豪雨で)携帯電話を流されてしまった人もおり、混乱の中で連絡手段を提供できたことは意義深い」と話す。9月14日時点で、3世帯4人が避難する吉田公民館では電話を使える状態にしていた。
 一方、大洲市では、市内にあるNTT西日本の通信ビルが被災したため、電力供給できなくなり特設電話が使用不能に陥った。今回は衛星携帯の貸し出しで対応したが、衛星回線や無線装置を使用し、特設公衆電話を利用可能にすることもできるという。
 NTT西日本は「事前設置には、災害後速やかに使用できるという利点がある。自治体の協力を得ながら進め、全自治体への設置を目指す」としている。

 一般の公衆電話についても大規模災害時には使用が無料となる場合がある。16年4月の熊本地震では熊本県内全域で、今月6日に発生した北海道の地震の際には道内全域で無料化が実施された。同社愛媛支店によると、県内ではまだ事例はないが「南海トラフ地震など、被災規模に応じて支店長の判断で無料化する可能性はある」。
 ただし、公衆電話を全く使用したことのない小学生は85%に上るという調査結果(NTT東日本調べ)もあり、若年層は使用法を確認しておく必要がある。愛媛支店は、災害訓練時に公衆電話のデモ機を用いて体験指導をしている。

愛媛新聞社

最終更新:9/18(火) 15:50
愛媛新聞ONLINE

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