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村田諒太 ゴロフキン王座陥落で“過酷な道”…王者アルバレスを日本に呼べない事情

9/19(水) 11:02配信

東スポWeb

 次なる道は一つしかない。WBA世界ミドル級王者の村田諒太(32=帝拳)が17日、10月20日(日本時間21日)にラスベガス・パークシアターで行われるV2戦に向けて、「カネロ」ことサウル・アルバレス(28=メキシコ)を参考にしたスタイルを披露した。早ければ来春にも実現の可能性があったビッグマッチは消滅の可能性が高くなったが、村田は冷静に自分を見つめている。その視線の先にあるものは――。

 この日、3人のパートナー相手に2ラウンドずつ行ったスパーリングの開始早々、「(パートナーの)パトリック(デイ=米国)が珍しく前に出てきた」(村田)。

 前日(15日=日本時間16日)に米ラスベガスで行われたWBAスーパー&WBC世界ミドル級タイトルマッチでは、元2階級制覇王者のアルバレスが試合開始から前に出て、統一王者ゲンナジー・ゴロフキン(36=カザフスタン)に判定勝ち(2―0)した。村田によれば「昨日のカネロをマネしたんでしょう」とのことだったが、自身も次のラウンドからは積極的に前に出て主導権を握る戦い方に転じた。

 その意図は2つある。まずは相手に押され、ペースを握られると体力を消耗するということ。もう1つは「下がりながらだと、どうしても重心が上がってしまう。そうなると威力のあるパンチが打てなくなる」(村田)ことだ。もちろん、前に出て戦うことには体力が求められる。被弾の可能性も高まることから勇気も必要になる。

 だが本場のリングで腰の引けた戦いをして勝っても評価は上がらない。世界を沸かせたアルバレスのように、同級2位ロブ・ブラント(27=米国)とのV2戦を支配して、最後はきっちり仕留めることが理想だ。

 この姿勢には、前日の試合結果も影響している。村田がV2に成功すれば、来春にもゴロフキンと東京ドームでスーパーマッチの計画も浮上していた。だがゴロフキンの敗戦でこれは白紙に。ならば勝者のアルバレスと東京ドームで…とはならない。なぜか。ヒスパニック系に絶大な人気を誇るメキシコ人王者を日本に連れて来て、試合をさせることはまず不可能だからだ。また、米国で実現させるにはまだ村田の実績が足りない。

 一方、アルバレスは今年2月のドーピング検査で陽性反応を示し、半年間の資格停止処分を受けた。これで当初5月に予定されていたゴロフキン戦が一度は中止に。五輪金メダリストでドーピングに関して厳格な環境下で過ごしてきた経験のある村田にとっては、対戦することに積極的になれない理由にもなる。

 こうした複合的な理由から、村田はアルバレス―ゴロフキン戦直後に「(ビッグマッチは)遠ざかった」とした上で「運命的なことに固執しても仕方ない」と語っている。

 となれば、村田の行くべき道は一つだ。「あと2、3段階上げていかないと、あのステージにはたどり着けない。険しい道になった」。強敵を一人ひとり倒して確実に海外での評価を上げていくこと。過酷な道になったとはいえ、村田の決意は固まっている。

最終更新:9/19(水) 11:09
東スポWeb