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誰もがビビッて愛した“ガチンコ男”…山本KIDさんを悼む

9/19(水) 6:13配信

スポーツ報知

 KIDさんは、やたらと目力のある男だった。163センチと小柄ながら、全身からにじむ威圧感は圧倒的。「神の子」を名乗るだけあって、カリスマ性は絶大だった。2000年代に格闘技ブームを巻き起こし、プロレス界を一時衰退に追いやった。当時、ショーの要素が強かったプロレス界に対抗するかのように「俺たち、ガチンコっすよ」が常とう句だった。

 レスリング五輪代表だった父・郁栄氏に憧れて2度五輪に挑戦したが、届かなかった。プロとして盤石の地位を得ていた06年春。08年北京五輪に向け母校・山梨学院大で極秘練習を始めたことを記事にした。「マジ、勘弁してくださいよ」と怒られた。後に挑戦を表明したが、当時は「挑戦できるレベルでもないのに書かれて困る。レスリングはマジ、ガチンコなんすよ!」と言われた。

 最後に会ったのは14年の大みそか。ボクシングの世界戦が行われた東京・大田区体育館にプライベートで訪れていた。頭部の2倍の大きさはある巨大なアフロヘアにサングラスをかけ「ち~す」と近寄ってきた男に後ずさりすると「俺ッすよ! KID! ビビッたっしょ!?」と笑われた。誰もがビビッて愛した人間的な大きさ、そして誰もがビビッた強烈なファイトは、もう見られない。冥福を祈りたい。(01~07年プロレス担当・小河原俊哉)

最終更新:9/19(水) 6:55
スポーツ報知