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茨城県内公立小学校 運動会は「春」定番? 暑さ対策、6割移行

9/20(木) 5:00配信

茨城新聞クロスアイ

運動会の開催時季を秋から春に移す公立小学校が増えている。熱中症対策に加え、早い段階でクラスのまとまりを強めるのが狙い。茨城新聞の調べでは、県内の市町村立小学校で約6割が5、6月に前倒しして開催。秋に開く小学校でも、今夏の酷暑を踏まえ、“時短”を取り入れる例が見られた。来年秋の茨城国体をにらみ、開催時季の変更を検討する自治体も出ている。秋開催が定番だった運動会が変わりつつある。

■1時間早く終了

「フレー、フレー、赤組」「ゴー、ゴー、ゴー、白、白、白」。16日午前、日立市本宮町2丁目の市立宮田小。校庭に児童の応援歌が響く。市立小全25校のうち9校が秋に運動会を開き、少数派になった。

同校では「災害級」と呼ばれた今夏の酷暑を念頭に、例年より開始を20分早めたり、競技数を1割減らしたりして全体で日程を1時間ほど短縮。午前8時半に始まり、午後1時過ぎに終わった。気温が高くなる午後に、活動量が少ないダンスなどを据えた。

PTA会長の福地秀太郎さん(42)は「夏がひどい暑さだったので、体調管理の面から言えば当然」と時短を歓迎。保護者の中には、時季の前倒しやさらなる時短を求める声もあり、「子どもたちを第一に考え、工夫できる点を学校と話し合っていきたい」。

■中学は秋が主流

県教委義務教育課によると、学習指導要領で小中学校の運動会と体育祭は「健康安全・体育的行事」に分類、体力の向上や連帯感を育むのが目的だ。ただ、直接規定する法令はなく、時季や内容は校長が保護者らの意見を聞きながら決めるという。

茨城新聞が県内全44市町村教委に尋ねたところ、国立と義務教育学校を除く公立小全480校のうち秋開催は197校で、全体の41%にとどまった。春に開く場合は、ゴールデンウイーク明けから梅雨入り前が多い。全公立小で運動会を春に移したのは、15市町村(水戸▽古河▽高萩▽取手▽つくば▽ひたちなか▽守谷▽常陸大宮▽那珂▽茨城▽大洗▽城里▽東海▽境▽利根)。残暑を避けるのが狙いだが、学年が変わって間もない段階で、練習を通し団体性を身に付けさせる意図ものぞく。

一方、公立中は秋開催が全210校のうち181校で大多数。6月ごろから全国中学校体育大会の予選が始まり、「部活動の練習時間を確保する」(県央地域の教育関係者)ためとみられる。

■茨城国体見据え

前倒しや時短は今後も加速しそうだ。

本県は来年秋に茨城国体を控えており、見学や競技補助に赴く児童生徒も想定される。このため、小中全校で運動会を秋に開く阿見町の教委担当者は「時季の変更を考えなくてはいけない」と気をもむ。

改訂学習指導要領の実施も影響を及ぼす可能性がある。2020年度から小学校で英語の正式教科化などが予定される。「授業を運動会の練習時間に目いっぱい割くのは難しくなる。勉強に運動にで、児童が疲れてしまってかわいそう」(公立小の校長)との見方も強い。(鈴木剛史)

茨城新聞社