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私立小は年60万円超…子供の“習い事地獄”で疲弊しないコツ

9/20(木) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

「学校の都合に振り回されて、“習い事地獄”にあえぐ母親が増えています」と、生活経済ジャーナリストの柏木理佳氏は指摘する。

「小1の息子は保育園出身だから勉強についていけないんです」――。都内在住の桃子さん(39=仮名)は、そう言ってタメ息をついた。幼稚園出身の他の子はすでに国語、算数、鍵盤ハーモニカができる。

「この歌を鍵盤ハーモニカで上手に弾けた子は、先に進んでいい。できない子はずっと同じ歌だけ練習して」(桃子さん)

 桃子さんの息子は先生からそう言われ、泣きわめく日もあるそうだ。先生は“できる子”に合わせて授業を進める。習い事に通わせて「ようやく授業についていける」というが、わが子はすでに「落ちこぼれ?」と心配になってしまう。

 だから習い事の出費が増えていく。息子はまだ小1なのに水泳、柔道、ピアノ、硬筆、体操などで毎月5万円かかるというが、それは桃子さんに限った話じゃない。

 文科省の2016年度「子供の学習費調査」によると、「学校外活動費(学習塾や習い事などへの支出)」は公立小で年平均約21万7800円、私立小になると約3倍の61万3000円で、ジワジワ増えてきている。ある元小学校教諭がこう言う。

「レベルの高い子に合わせていかないと、学校のレベルが下がります。小6と中3対象の全国学力テストがあるので、宿題は減らせない。正直、みんなが塾や習い事に通ってくれると、教師としては助かります」

 桃子さんの息子が通う小学校では脱ゆとり教育で教科書に練習ドリル、実践書き込みドリルなど算数、国語で各4冊もある。宿題だけで10冊。息子は8キロの重いランドセルで20分かけて帰宅し、1時間かけて宿題。その後、習い事に行く。

 小4の娘がいる都内の智子さん(44=仮名)は「小4からは受験用の塾代5万円も加わり、毎月10万円以上も支出しています」とこう続ける。

「小6になると、もっとかかりそうです。塾代以外にピアノ7000円、水泳1万円、体操8000円も、学校の進級テストに合格させるために、辞めさせられない。本当は公園で自由に遊ばせたいけど、公園で遊んでいる子供はいません」

 一方で、横浜市在住の朋子さん(38=仮名)は「ウチは年収が400万円もないから、月1万円しか使えません。クラスの子は全員、習い事をしている。かわいそうなのでウチも土曜だけ塾に行かせています」。

 前出の柏木氏のアドバイスはこうだ。

「塾や習い事に頼らずとも、親が本の読み聞かせをしたり、一緒に勉強した子供の成績は上がる傾向にあります。『学校外活動費』は小学校がピークで、中、高と下がっていく。小学校が最も高いのは親が期待しすぎているから。経済的にも精神的にも親が疲弊しないよう、せめて習い事は1つに絞ることです」

 地獄から抜け出す勇気が必要だ。