ここから本文です

岡山産白桃を中東・ドバイで販売 富裕層へ売り込み、反応は上々

9/20(木) 8:10配信

山陽新聞デジタル

 岡山を代表する味覚の一つ白桃が海を越え、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで売り出された。岡山県によると、県産白桃の中東への輸出は初めて。

 総社市の若手農家らでつくる総社もも生産組合(同市門田)が、香港、シンガポール、台湾に次ぐ輸出先として中東屈指の商業都市を選んだ。当初、7月中旬の出荷を計画していたが、西日本豪雨で一部果樹が流されるなど被災。災害を乗り越え、8月下旬、傷つかないようフルーツネットを2重に巻くなどして約30キロを空輸した。現地のホテルやレストランが購入し、反応は上々だったという。

 総社もも生産組合が、海外4カ所目として白桃を輸出したアラブ首長国連邦(UAE)・ドバイ。経済発展が著しく、富裕層が多い地域ながら日本産桃の流通はまだ少ないことから市場性が高いと判断した。県特産の高級果物を売り込んで需要を掘り起こす。

 第1弾として8月下旬に送ったのは、おくて品種「幸茜(さちあかね)」約30キロ。関西空港から直行便で約10時間かけて空輸し、食品などを輸出入する富士貿易(横浜市)の現地合弁会社を通じてリゾートホテルや日本食レストランに販売した。現地での反応について、秋山陽太郎組合長(38)は「こんなに甘くておいしい桃は食べたことがないと好評だったようだ」と言う。

 同組合は9戸が約12ヘクタールで清水白桃や白鳳といった白桃を中心に栽培。昨年は約100トンを出荷した。海外へは2008年ごろに香港に輸出したのを皮切りにシンガポール、台湾にも進出し、年間約3トンを供給している。

 ただ近年は、日本から輸出される桃の約8割が出回る香港などで販売競争が激化。アジア以外の輸出先を検討していたところ、総社市から紹介してもらった富士貿易の現地合弁会社を介してドバイへの輸出が実現した。

 同組合などによると、UAEは砂漠気候のため露地栽培に不向きで、野菜や果物の多くを輸入に依存。ドバイの桃もチュニジアやスペイン、南アフリカ産が中心で、保存性を高めるのに熟す前に収穫するため香りや甘みが弱いことから、糖度が高くみずみずしい県産白桃の人気は高まるとみて販売に乗り出した。

 計画では出荷ピーク前の7月中旬にサンプルを輸出。8月から本格的に送り込むことにしていた。ところが、西日本豪雨による土砂崩れで桃の木が流されたり、畑が冠水したりして計約1ヘクタールが被災。復旧作業と並行して国内外に出荷、ドバイへの輸出準備を進めてきた。

 同組合は来年も空輸する方針で、出荷の量や時期は現地の需要動向を見極めながら判断する。将来的にはバーレーンやオマーンなど近隣にも販売し、中東向けに年間約1トンの出荷を目指す。秋山組合長は「ドバイは国内の平均単価よりも高い単価での販売が期待でき、安定取引に道筋を付けて新たな収益につなげたい」と話している。