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ビートたけしも連載していた「新潮45」とは? 保守系雑誌の歴史をふり返る

9/20(木) 19:59配信

BuzzFeed Japan

「(LGBTは)生産性がない」と表現した自民党の杉田水脈衆院議員を擁護する特集を掲載し、批判の声が高まっている雑誌「新潮45」。

そもそも、どんな雑誌なのでしょうか。その歴史を紐解いてみました。【吉川慧 / BuzzFeed】

「新潮45」の「45」の意味とは?

「新潮45」は1982年3月に新潮社が創刊した月刊誌。創刊当初の雑誌名は「新潮45+」でした。

「45」という数字は、想定読者を45歳前後の中高年層をターゲットにしていることを示しています。

創刊3年となる1985年、現在の「新潮45」に改名。ノンフィクションやエッセーを軸に「保守」の論調とり、誌上には、その時代に活躍する論壇人が登場しました。

歴代編集長には亀井龍夫氏、早川清氏、中瀬ゆかり氏など、新潮社の名物編集者が名を連ねています。その時々の編集長の方針によっては、事件報道や芸能ネタにも力を入れました。

中瀬氏によると、「45」には「斜め45度からものを見る」という説もあるそうです。

編集方針は?

編集方針について、新潮社公式サイトではこう説明しています。

《その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました》

《しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。それは『人の生き死に』について考えるということです》
(新潮社サイト「新潮45とは」より)

中高年向けの雑誌という特徴から、高齢化社会を念頭に「死」の問題を考えるエッセイ集なども刊行しています。

宇野千代、森繁久彌、谷川俊太郎、石原慎太郎ら各界の著名人が死生観を綴った『死ぬための生き方』はベストセラーになりました。

執筆陣の幅広さも魅力でした。過去にはビートたけし(北野武)さんもエッセーを連載。これをまとめた単行本『だから私は嫌われる』も好評を博しました。

少年犯罪で実名・写真を掲載、批判も

一方で、物議を醸した報道もありました。

1998年、「新潮45」(3月号)は大阪・堺市の殺傷事件で逮捕された19歳(当時)の少年の実名と写真を掲載。少年法に抵触し、人権侵害にあたると大きな批判を受けました。

少年法61条では、本人を特定できる記事や写真を出版物に掲載することを禁じています。

当時の編集部は、実名報道に踏み切った理由について、「残虐非道の犯罪である」「あと半年で二十歳になるのに、匿名化されて事件の本質が隠されている」などと説明。少年法に問題点があると主張しました。

これに対し、少年の弁護団は抗議声明を発表。

「少年法に違反する重大な人権侵害と言わざるを得ない」「営利主義に基づくセンセーショナリズムへの迎合に過ぎず、報道の自由の範疇を逸脱した重大な違法行為」と断じました。

このときは他社雑誌の編集者も批判の論陣を張りました。

雑誌「論座」の清水建宇編集長(当時)は、「少年法の罰則がないこといいことに自分は安全地帯に立ち、少年と家族らを犠牲にして法の不当を主張するのはひきょうだ」と、掲載に反対する意見を述べています(朝日新聞・1998年3月12日朝刊)。

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最終更新:9/20(木) 20:02
BuzzFeed Japan

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