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「私があなたを育てた理由は、単なる私のエゴイズムです」子育ての理由はそれでもいい――ドラマ「ぎぼむす」が起こした小さな奇跡

9/20(木) 22:20配信

ELLE ONLINE

惜しまれながら最終回を迎えた「ぎぼむす」こと、「義母と娘のブルース」。“契約結婚”や“キャリアウーマンの育児問題”、“3低男性”など……ここ2、3年のエンタメ業界の流行りがぎゅっと詰め込まれたドラマにも関わらず、同作が常に視聴者の心を掴み、新しい作風として働く女性から一目置かれる作品となった理由は? 東大法学部を主席で卒業、財務省、弁護士を経て、ハーバード留学。凡人には成し得ない道を歩んでいるバリキャリ女子、山口真由さんも親子の愛に泣いた、泣かされた…….。

竹野内豊が消えたドラマを観続けるインセンティブってなに?

私が「義母と娘のブルース」を観ようと思った理由はほかでもない。第3話あたりで、竹野内豊が脱ぐらしいといううわさを聞きつけたからだ。それ以外の理由はない&それだけで十分な理由でしょ? ところが、である。料理しながらこのドラマを観るという、「ながら観」をしていた私は、第3話を観終わってふと気づいた。ちょっと待って。終わっちゃったんだけど!! そういえば、野菜を刻みながら音声だけ聴いたあのシーン。入院中の竹野内豊が綾瀬はるかに身体を拭いてもらうという……。もしかして、あそこがそのシーン? それが観たくてドラマを観はじめたのに、それを見逃すとは、どういうこと?

なぜ竹野内豊が、綾瀬はるかに身体を拭いてもらうのか? それは彼が闘病中だから。これは基本的コメディタッチだけど、敷かれている物語は相当にシリアスである。竹野内豊が演じる宮本良一には8歳になる一人娘みゆきがいる。妻は既に病気で他界。その良一にプロポーズされて、みゆきの義母となるために宮本家にやってきたのが、綾瀬はるか演じる岩木亜希子で、彼女は仕事が超できるバリバリのキャリアウーマンだったという設定になっている。でね、一人娘のみゆきが反抗しながら、少しずつ義母になじんでいくっていう話だと思うでしょ? いや、手垢がついたようなストーリーを批判しているわけじゃない。人って、案外、聞き古された展開に安心するものなのね。でさ、ちょっと飽きてきたら、6話くらいで、また竹野内豊が脱げばいいじゃん? ね、そうじゃない?

そう思っていた私にとっての誤算は、第5話の終わりで竹野内豊がなんと亡くなってしまったってこと。そうなの。妻を早くに亡くした良一は、自身もスキルス性胃がんで死神に命をがっつりつかまれている。だから、自分がこの世界を旅立った後、一人残る娘を任せるのに「僕が知ってる女性のなかで最も頼りがいのある人」、つまり、小学3年生の娘に「キャラ弁」を頼まれて海苔でごはんの上に精巧な株式チャートを描いちゃったり、一度も外したことない鉄板の宴会芸「腹踊り」を娘とその友人の前でやっちゃたりする綾瀬はるか、要するに、仕事ができる女にこの世に残される娘を任せようとした。

いや、その、ちょっと待って。どうするのよ、私。竹野内豊は、もう一度脱ぐどころか、死んじゃったんだよ。その後のこのドラマ、どういうインセンティブで見続けるわけ?

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最終更新:9/20(木) 22:20
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