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JSA、完全に非武装化…民間人も北側区域の自由往来が可能に

9/20(木) 17:48配信

ハンギョレ新聞

「非武装地帯を平和地帯に」合意 武装解除した民事警察が警備 10月から地雷除去・火力装備をなくし 南北GP22カ所、年末までに撤収 相互1キロ以内に近接している警戒所が対象  朝鮮戦争激戦地の281高地で 来年4月から共同遺骨発掘

 南北の軍事当局は、「完全武装状況」である現在の朝鮮半島非武装地帯(DMZ)を平和地帯にすることで電撃合意した。非武装地帯で相手に向かって銃を向け合っている「監視警戒所」(GP)をなくすことにした。銃を持った兵士ではなく、武装解除した民事警察(DMZ police)が、板門店(パンムンジョム)共同警備区域(JSA)を守ることにした。南と北は非武装地帯に埋められている朝鮮戦争の戦死者の遺骨を共同で発掘する。

■非武装地帯から南北のGP22カ所が消える
 ソン・ヨンム国防長官とノ・グァンチョル人民武力相が署名した「歴史的な板門店宣言の履行に向けた軍事分野合意書」の第2条1項には「双方は非武装地帯内から監視警戒所(GP)をすべて撤収するための試験的措置として、相互1キロ以内に近接している南北監視警戒所を完全に撤収することにした」と書かれている。究極的な目標は非武装地帯内のすべての監視警戒所をなくすことだが、いったん試験的に今年12月31日までそれぞれ距離が1キロ程度しか離れていない西部・中部・東部のGP各11カ所、全部で22カ所を撤収する計画だ。これらの監視警戒所間の距離はわずか580~1060メートルと近い。偶発的な事故が発生する可能性が高い。実際にこれまで南北のGP間で発生した武力衝突は80回あまりにもなる。国防部当局者は「GPでは24時間相手に向かって装てんした銃を照準している」とし、「弾倉を取り替えていて偶発的に相手のGPを打撃する場合があり、これに対して相手も射撃をし、誤認射撃が交戦につながるケースが多い」と話した。

 撤収対象に上がったGPの中には、3年前「木箱地雷事件」が発生した地点近くにある文山(ムンサン)地域のGP1カ所も含まれた。2015年8月4日、京畿道坡州(パジュ)の非武装地帯で、南の軍人2人が北朝鮮軍が埋めておいたと推定される木箱地雷を踏み、それぞれ足首下と足を失った。事故発生地点は北の監視警戒所からわずか930メートル、南側の警戒所から750メートル離れた場所だった。南北が非武装地帯で監視警戒所を順次撤収していくのは、こうした悲劇的事故が再発しないようにするという意志の表明だ。撤収は、(1)あらゆる火器・装備を撤収(2)勤務人員の撤収(3)施設物の完全破壊(4)相互検証の4段階で進められる。

■板門店見学の際「北側の地」を踏める
 これからは板門店共同警備区域を訪問する韓国と北朝鮮、そして外国人観光客が南側、北側区域を問わず、自由に歩き回ることができるようになる見通しだ。現在、板門店を訪問する観光客は自由の家など南側区域だけを見て回ることができるが、南北が19日に板門店共同警備区域を非武装化することで合意したことにより、今後は南北、国連軍司令部の軍人はもちろん、一般人観光客も北側の区域を歩き回ることができるようになるという意味だ。板門店内だけは軍事境界線が消えるということだ。

 このため南北は、ひとまず「南・北・国連軍司令部3者協議体」を構成し、1カ月間板門店共同警備区域を非武装化するための一連の措置を行う予定だ。10月1日から20日以内に共同警備区域内の地雷を除去した後、5日以内に双方の警戒所や人員、火力装備を撤収する。不必要な監視装備は置かないことにした。

 非武装化措置が全て完了されれば、1953年の停戦協定の合意どおり、共同警備区域に駐留する兵力はそれぞれ35人以下になる。現在、南北の警備兵たちは共同警備区域で拳銃だけが許可される規定に反して、小銃や機関銃などで武装しているが、今後は拳銃も持たない完全非武装状態で警備に立つ。左腕には「板門店民事警察」という黄色い腕章をつける。また、北朝鮮から板門店に進入する要地にある「72時間橋」の両端と、板門店の南側地域の進入路一帯には、南北それぞれ警戒所を作り近くで勤務することにした。

■朝鮮戦争の激戦地で南北共同で戦死者を探す
 南北は朝鮮戦争当時激戦地だった「281高地」で共同遺骨捜索をすることで合意した。試験発掘は来年2月末まで160~200人規模の共同遺骨発掘団を構成した後、来年4~10月に実施する。南北共同遺骨の発掘が、南・北・米3国の協力事業につながるかも注目される。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は昨年6月12日、ドナルド・トランプ米大統領との電話で、南・北・米共同遺骨捜索を推進する意思を示した。国防部は非武装地帯内の共同遺骨発掘が「『非武装地帯の平和地帯化』の実質的措置として板門店宣言とセントーサ合意を同時に履行するという点で意味がある」と評価した。

 江原道鉄原郡(チョルウォングン)にある281高地(矢じり高地)は、朝鮮戦争が停戦する直前の1953年、韓国軍と中国共産軍が2週間のあいだ熾烈な高地争奪戦を繰り広げた地域だ。国防部は、ここに国軍(200体あまり)、米軍・フランス軍人(100体あまり)だけでなく、多数の北朝鮮軍、中国共産軍の遺体が埋められていると推定する。南北は共同遺骨発掘地域にある両方の監視警戒所、障害物をすべて撤収し、10~11月に地雷や爆発物をそれぞれ除去し、年内に12メートル幅の道路を作ることにした。

平壌共同取材団、ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:9/20(木) 17:48
ハンギョレ新聞

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