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装甲車、警察はなぜ自衛隊のものを流用しないのか 独自開発を必要とした理由

9/22(土) 7:20配信

乗りものニュース

街中でもわりと見かける装甲車

 装甲車はけっして軍隊=ミリタリーの世界だけの専用装備ではなく、一般的にも広く使われている車両です。

【写真】戦後初の実用装輪装甲車、82式指揮通信車

 こういってしまうと、日本とは別のどこか遠い、たとえば中東やアフリカなどの話に聞こえるかもしれませんが、日本においても警察はもとより、消防(耐火性装甲消防車)や一部の警備会社(現金輸送車)でも運用されており、けっしてまれな車両ではないのです。

 日本においては、自衛隊の次に多数の装甲車を用いているのは警察ということになります。マンガやアニメなどでは軍用の装甲車に赤色灯を付け、側面に「警視庁」や「○○県警」などと入れて警察仕様にしているものが見受けられますが、実際にはそのようなものは存在せず、100%の割合で警察専用の装甲車を開発、運用しています。

 なぜ、そのような非効率なことをするのでしょうか。ネット上においては「警察も自衛隊の装甲車を使えばいいのに」という意見もあるようですが、警察がわざわざ警備専用の装甲車を作るのには、もちろん意味があります。

自衛隊の装甲車とは

 そもそも、軍と警察の装甲車の違いは運用思想から生じています。

 軍用の装甲車は戦場で使われるため、基本的に不整地走破能力や耐弾性を重視します。そのため装軌式(いわゆるキャタピラー式)が存在するのであり、また迷彩塗装で、偽装(カモフラージュ)や増加装甲を取り付けられるように車体の各所に様々な出っ張りが設けられています。

 加えて舗装路を走ることよりも、泥濘地や積雪地などを走行することを想定しているため、装輪車についても不整地走破能力が劣る6×4や4×2はほとんどなく、6×6(6WD)や4×4(4WD)の全輪駆動タイプで、現在では8×8(8WD)が主流です。

 さらに防御上不利となるガラス窓は極力減らされ、最低限必要な場所のみとされています。そして頻繁に車体上面へ登ることを想定しているため、車体の至るところに足掛けが設けられています。

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