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河川敷に生きるネコの「過酷な現実」 29年間支援をつづける写真家

9/22(土) 5:30配信

DANRO

黄色と白と黒が混じったような濁った瞳の猫。9月中旬、東京・新宿のカフェ「ベルク」に展示されていた写真の一枚です。撮影したのは、写真家の小西修さん(62)。写真に添えられたキャプションによると、これは全盲の猫「ミエコ」で、河川敷に暮らすホームレスの男性が可愛がっていたといいます。しかしキャプションは、次のように続きます。(土井大輔)

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「2007年9月6日、南関東を直撃した台風9号の影響により、河川敷では徐々に水かさが増していった。ついに水位は8m上昇し、ミエコと暮らすIさんも早朝に小屋ごと流されてしまった。『濁流に浮かんだ小屋の屋根にネコとおじさんがいて、助けを求めていたがバランスを崩して水没し、そのまま姿が見えなくなった』とは後日耳にした消防隊員からの話」

野良猫の虐待を知ったのがきっかけ

神奈川県に住む小西さんが、関東平野を横断する多摩川の、河川敷に生きる猫を世話するようになってから、今年で29年になります。写真はその支援活動の合間に撮られたものです。

小西さんの活動の中心は、河川敷にいる猫の住み処を巡回し、エサをあげたり病気の猫を病院に連れていったり薬をあげたりすることです。動物愛護団体などには属していません。個人ボランティアと連絡をとりつつも、基本的には妻と2人で続けているのです。活動範囲は広く、上流の奥多摩地域から河口のある羽田まで、約138kmにおよびます。

きっかけは、近所の公園にいた野良猫たちが虐げられているのを目の当たりにしたことでした。

「誰かが作った野良猫の住み処を壊して、そのうえに猫の死体がほうり投げられていたことがありました」(小西さん)。通りすぎるとき、猫を蹴っていく人も見ました。中年男性が、ゴルフクラブで猫を殴る現場を目撃したと語る中学生もいました。

「こりゃいかん!」と思った小西さんは、公園の先に流れる多摩川に目を向けます。「あそこには、もっと厳しい環境にある猫がいるだろうと想像したわけです」。実際にのぞいてみて、河川敷の猫たちの窮状を知った小西さんは、彼らの世話を始めます。

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最終更新:9/22(土) 18:54
DANRO