ここから本文です

ツッコミ受けつつ売れる大人気カニカマ『ほぼカニ』…ヒットの裏側にあった“本物”の開発戦略

9/23(日) 13:03配信

関西テレビ

高級食材『タラバガニ』…にしか見えない画像の商品。これ、本物ではないんです!

実は、魚のすり身を主な原料とした“練り製品”。カネテツデリカフーズが展開する「ほぼシリーズ」の新商品『ほぼタラバガニ』です。

シリーズ代表作の『ほぼカニ』は、既存のカニカマの8倍を上回る(※カネテツデリカフーズ既存商品との比較)年間430万パックを出荷するなど、低迷する練り製品市場で、異例のヒット商品に。

今回、新商品『ほぼタラバガニ』の製造現場をテレビ局として初取材。関西発の人気商品「ほぼシリーズ」開発の裏側とヒットの秘密に迫ります!

■目指したのは「カニを超えるカニカマ」

若者の魚離れや、加工品の多様化などを背景に、練り製品の一世帯当たりの購入額は、この20年ほどで4割近く減少しています(総務省調べ)。若い人ほどその傾向は顕著なようで…。

買い物客:
「練り製品はあまり買わないかな…。使い道があまり分からない」

別の買い物客:
「子供と一緒に食事するので、加工品や塩分がきついものはあまり出さないようにしてるんですけど、カニカマは子供が好きなんで、ちょこちょこ買うかも」

と、練り製品を敬遠しがちな若い世代にも親しまれているのが「カニカマ」。

メーカー各社が競って商品を開発する中、さらに「進化したカニカマ」である『ほぼカニ』を発売したのが、神戸の食品メーカー・カネテツデリカフーズです。

カネテツデリカフーズ・宮本商品開発室長:
「本当のカニを超えるようなカニカマを作れば、他社に勝って我々も生き残れるんじゃないかというのが開発のきっかけですね」

カニを超えるカニカマ『ほぼカニ』とは、一体どんな商品なのか、製造現場を見せてもらいました。

宮本商品開発室長:
「すり身を薄いクレープ状態にして、切れ目を入れています。カニの繊維はそうめんのような状態になっていて、口の中に入れたときにバラバラっとほどけるのを再現するためです」

その薄く伸ばした生地2枚を、らせん状に巻いて形を作っていきます。そうすることで、従来のカニカマの繊維が“直線”なのに対し、ほぼカニの繊維は“斜め”に入り、口の中でほどけるカニの食感を生み出しているのです。

また、本物のズワイガニの成分を分析して独自に配合した調味料を使い、味も本物に近づけているほか、和食の料理人監修のもと、『ほぼカニ』に合う専用カニ酢も開発するこだわりぶり!

価格は、カニカマと比べて30円ほど割高(※同社既存製品との比較)ですが、発売から4年で、売り上げは2倍に伸び、ヒット商品へと成長しました。

買い物客:
「おいしかったです。本当にカニっぽい感じですね」

別の買い物客:
「そのまま多分食べたと思います。付いてるタレで。安いと思います」

■ネーミングの妙と、緻密な食材選び

人気のきっかけとなったのは、やはり『ほぼ…』という斬新な商品名!

「ネーミングセンスありすぎ」「じゃあ何なんだってツッコミながら買った」などとSNSで話題になり、練り製品に馴染みの薄かった若い世代を取り込むことにも成功したのです。

今では、カニのほかにも、ホタテやウナギ、さらにはカキフライなど、「ほぼ」商品がシリーズ化!新たなブランドを構築しつつあります。

そして、これらの商品には、ある共通点が…。

宮本商品開発室長:
「お客さまが、なかなか普段手が届かないものを安く提供したい」

実は、カニもホタテもウナギも、発売当時、不漁などで価格が高騰していた食材。カキは、当時ノロウイルスが流行し、食中毒の恐れがあったなど、いずれも消費者が“本物を選びにくい食材”に目をつけて開発を進めてきたのです。

■本物よりも“旨味成分”多い新商品

そんな消費者ニーズをくみ取った「ほぼシリーズ」最新作は、9月1日に発売した『ほぼタラバガニ』!

宮本商品開発室長:
「『ほぼカニ』は繊維状のもので構成された商品なんですけど、それをバラバラに砕いたものを使っています」

フレーク状にした『ほぼカニ』を固めて蒸しあげ、ほろほろとほどける特有の食感を再現しました。

『ほぼカニ』は夏場向けの商品。それに対して、冬場に囲む鍋に入れる商品を…という発想で考えられたのが『ほぼタラバガニ』なのです。

見た目だけでなく味も本物のタラバガニそっくりなのですが、取材班が試食してみると、なぜか『ほぼ…』の方がカニっぽい味。この理由について聞いてみると…?

宮本商品開発室長:
「結論としては(本物の方が)味が薄いんですね。本物のタラバガニのアミノ酸分析から導かれたもので、おいしいとか、甘い、うまいっていうところのアミノ酸を少し多くしました。そういうところを修正して、ときめきのある『ほぼタラバガニ』を作りました」

おいしさがダイレクトに伝わるよう、あえて本物と全く同じ成分にしていないのが、おいしさの秘密。さらに、この会社では商談や試食販売に向けて、営業担当者自らが商品を使ったメニューの試作を重ねています。

カネテツデリカフーズ・三浦営業部長:
「“練り離れ”が最近多くなってる中で、調理提案が非常に大事になってきています。一手間加えることで、もっと練り製品がおいしく食材になるというのを伝えていきたいです」

『ほぼタラバガニ』はカネテツが販売する既存の練り製品よりも多い、半年間で100万パックの販売を見込んでいます。

同・宮本商品開発室長
「消費者がなかなか値段が高くて手が届かないものを、手軽に食べていただけるようにというコンセプトだけはブレずに、この『ほぼシリーズ』はずっと進化していくと思います」


(関西テレビ9月18日放送『報道ランナー』内「なるほど!ちまたのケーザイ学」より)

最終更新:9/23(日) 13:03
関西テレビ

Yahoo!ニュースからのお知らせ