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次期日本人F1ドライバーの誕生に、鈴鹿サーキットはどんな役割を果たす?

9/24(月) 12:11配信

motorsport.com 日本版

 F1日本グランプリの開催契約を3年間延長した鈴鹿サーキット。その発表会の席上でホンダの山本雅史モータースポーツ部長とモビリティランドの山下晋社長は、揃って日本人F1ドライバーの誕生を期待している旨を語った。特に山下社長は、「近い将来、日本人ドライバーが乗ってくれることを期待していますし、色々と山本さんとも議論しています」と発言した。

【写真】1997年のSRS-Fには佐藤琢磨、松田次生、金石年弘が在籍

 では、ホンダとモビリティランドの間で、日本人F1ドライバーの誕生に向けてどんなことが話し合われているのか? その真意を、山下社長に訊いた。

「具体的に、誰を乗せようとか、そういう話をしているわけではありません」

 そう山下社長は語る。

「すべての候補者は、鈴鹿サーキット・レーシング・スクール(SRS)の出身者なんです。しかし最近は、残念なことがあります。SRSで非常に優秀だと思われたドライバーがヨーロッパに行っても、すぐに活躍できるということには、なかなかなっていません。決して能力が無いわけではありませんが、日本でいくら良い成績を残しても、欧州で活躍できていません。そういうことを変えていくために、SRSの改革もやっていかなければならないということも含め、(ホンダと)話をしています」

「来年や再来年の話だけではなく、将来に向けてしっかりと戦える日本人ドライバーを育てていくということを前提に、今のスクールのあり方をレベルアップさせていきたい。そのために、来年からここを変えようということについても、議論しています」

 トロロッソ・ホンダのフランツ・トスト代表は、日本人ドライバーの誕生をサポートしたいと語り、彼らが通用するようになるためには、早い段階でヨーロッパのレースを経験すべきだと主張している。つまりSRSも、ヨーロッパでのトレーニングを経験できるような形になるのか? それについて尋ねると、山下社長は次のように説明した。

「その可能性もゼロではないです。今のSRSは講師も全員日本人ですし、鈴鹿を中心とした日本でトレーニングしています。日本流の教え方なのです。でも、それを変えなければいけない。世界に通用する教え方ができる、そういうカリキュラムになっていなければいけないと思います。それが必要とされているという認識が我々とホンダの中にあり、それに対してどう対応すればいいのかということが、双方における早急の課題です」

 ホンダは来季から、レッドブルのF1チームにもパワーユニットを供給する。これが、SRSを改革していく上で、大きな影響を与えることになりそうだ。

「理想を言えば、トロロッソ・ホンダに日本人ドライバーが乗って、レッドブル・ホンダにステップアップして欲しいわけじゃないですか。そういう人が出てきてくれないと困る。そのためにはどうすればいいかということも併せてやっています」

 なお、ホンダの山本雅史モータースポーツ部長はイタリアGPの週末、motorsport.comの取材に対して次のように語っていた。

「レッドブルと共同で、彼らのドライバーたちと我々のドライバーたちを交流させ、それを統合し、共にサポートすることも検討しています。彼らに、より高いレベルのプログラムの根拠を与えます」

「またレッドブルと共に、来年のF3に向けたテストプログラムを来年行うつもりです。もし彼らが良ければ、彼らにとって来年は素晴らしいチャンスになるはずです」

 SRSは、ホンダのドライバー育成の基礎となるプログラムである。つまりSRS自体も、世界との距離を縮めるために、何らかの形でレッドブルの育成プログラムとリンクする……そういう形になるのかもしれない。

 山下社長は、最後に次のように語り、締めくくった。

「日本人で、今F1を目指して走っている子たちが、『よし!』と思えるようなプログラムにしたいですね」

田中健一

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