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“変態セブン”が生まれた背景に、地獄のドミナント戦略

9/25(火) 8:15配信

ITmedia ビジネスオンライン

 最初に耳にしたとき、変態が7人いるのかと勘違いした人も多いのではないか。

 栃木県内のセブン-イレブン(以下、セブン)で、破天荒すぎる言動を繰り返していたオーナー店長に、地域の方たちが付けた「変態セブン」という斬新なあだ名のことだ。

そろそろコンビニ各社の戦略を見直すべき

 この一度聞いたら忘れられないパワーワードが登場したきっかけは、女性客に対して、ズボンのチャックから指を出し、みだらな言葉を繰り返す動画が公開され、マスコミの取材が現地に殺到したことだ。

 その中では、耳を疑うような証言も出ている。

 今から7~8年前、ミニスカートを着用していた女性が買い物をしていたところ、オーナー店長が細長いパンを自分の下半身に当てて、「ねえ、僕と遊んでよ。遊びたいからミニスカート履いてるんでしょ」とそのパンを女性の膝に押し当ててきた。そこで、この女性の夫がセブン本部に苦情を申し立てたところ、オーナー店長は「謹慎」に追い込まれたという。つまり、セブン本部としても、変態セブンのことをかなり以前から認識していたのだ。

 セブンには「一人あたり7、8店舗を担当し、オーナー様と綿密なコミュニケーション」(同社Webサイト)をとるオペレーション・フィールド・カウンセラー(以下OFC)という店舗経営相談員がいるのだが、なぜこの問題を放置していたのかという疑問もある。

 ただ、個人的には、今回の問題は「オーナーとOFCを叩いて終了」という話ではない気もしている。

なぜ変態セブンはあそこまで狂ってしまったのか。なぜOFCは彼を放置していたのか。これらの謎をつきつめていくと、ある組織的な「病」が見えてくるからだ。

 それは、「ドミナント戦略」だ。

セブンの戦略がオーナーたちを追い詰める

 ドミナント戦略とは、特定地域に出店を集中させて商圏内を独占状態にすることだ。ブランドの認知度と顧客のロイヤルティーが高まることに加え、配送面や店舗管理面にもメリットがあって、これを進めれば地域内の勢力図をオセロゲームのように一気に塗り替えることができる。セブンの出店戦略の根幹をなすものだ。

 実際、セブンの公式Webサイトの「店舗検索」を見ると、今回問題となった店舗から2キロ強の圏内には、10店舗がひしめきあっている。もっとも近い店舗は直線で700メートルほどだ。ちなみに、同じ圏内でファミリーマートは3店舗、ローソンは4店舗しかない。

 確かに、そのドミなんちゃらのせいなのか、ウチの近所でもセブンがたくさんできているけれど、それが変態セブンとは何も関係ないだろと首をかしげる人もいるだろうが、まったく関係ないとは言い難い。

 このドミナント戦略が、セブンオーナーたちを経済的にも、精神的にも限界に追いつめているのではないかという指摘があるからだ。

 日本フランチャイズチェーン協会によれば、コンビニの店舗数は2016年末時点で5万4501店(前年比2.8%増)。この10年で約1万4000店増えている。こんな厳しい競争環境の中で、隣近所にポコポコとセブンが建設されていけば、「共倒れ」のリスクが増すのは言うまでもない。たたでさえ、廃棄弁当が店の負担となる「コンビニ会計」で苦しんでいるところにダブルパンチとなっている。

 また、同地域で同じ店ができれば労働力の奪い合いになるのは自明の理だろう。バイトが確保できなければ、経営者なのにブラック企業の一兵卒のように、心身が壊れるまで働き続けなくてはいけないのだ。

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