ここから本文です

相乗りタクシーで買い物に 渋川市社協の高齢者支援事業

9/26(水) 10:00配信

福祉新聞

 買い物に困る高齢者を支援したいーー。そんな思いから、群馬県の渋川市社会福祉協議会はタクシーを活用した買い物弱者支援事業を今年3月から始めた。自宅で暮らしていて買い物をするのが困難な75歳以上の人が対象。相乗りしてもらうのが特徴で、社協や店舗も一部を負担することで比較的安い料金で利用できる。

 現在、市内9地区中4地区(豊秋、古巻、金島、北橘)で事業を展開している。開始から6カ月たち契約者数は36人に増えた。多い地区では20人ほどの利用者がいるという。

 利用者負担は、自宅から店舗まで片道2キロ未満の場合、往復で500円。以降、500メートルごとに100円ずつ増える。走行距離に応じたタクシー料金は発生するが、利用者負担と社協の事業資金に加え、社協と契約した店舗が利用者の買い物1回につき100円支払う協賛金も財源としている。

 買い物に出掛けるのは、地区ごとに月2回の決められた日。社協がその日に買い物に出る利用者(契約者)を把握した上で、なるべく近い範囲で4人組を作るよう調整する。これにより、タクシーの総走行距離が短くなり、費用対効果も高まる。4人組が作れなくても、利用者がいる限り実施する。

 実際に利用した人は「店と自宅が近いのでタクシーを呼ぶことに引け目を感じていたが、相乗りなので気兼ねなく乗れた」「タクシーで家の目の前まで送ってくれるので、重い物も気にすることなく買える」と、利便性を評価する声が多い。

 1時間ほどの買い物が終わると、タクシーに相乗りした人それぞれの自宅に寄りながら帰宅する。買った商品は運転手が玄関まで運んでくれるサービス付きだ。

 タクシーの相乗りを活用した買い物弱者支援は全国で初の試み。タクシー会社が自ら相乗りの調整をすると違法になるが、第三者である社協が調整して配車する分には問題ないため、そこに事業化の可能性を見いだした。

 市社協の登坂将志・生活支援課長は「店舗までの数百メートルがつらいという高齢者もいる。高齢者の買い物支援だけでなく、店舗やタクシーの集客といった面でもメリットのある事業だ」と意義を説明する。社協にとって社会貢献活動の側面もあり「もうけの出る事業ではない。地域で困っている高齢者を支援したいという思いで事業化に踏み切った」と言う。

 市社協は今後、事業開始から3年間で市内全地区での事業展開を目指しており、協力してくれる店舗を増やしていく予定だ。

最終更新:9/26(水) 10:00
福祉新聞

あなたにおすすめの記事