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北原読書楼 30年ぶり土蔵開ける

9/26(水) 6:01配信

長野日報

 伊那市高遠町に現存する江戸時代の武家屋敷を使用した私塾の学問所「北原読書楼」で25日、敷地内にある土蔵1棟が約30年ぶりに開けられた。内部からは学問所で使われていた教科書や当時の世相を知るうえで貴重な書簡など約数百点が見つかり、所有者は歴史的価値を探る今後の学術調査などに期待を寄せている。

 同市教育委員会によると、読書楼は、旧高遠藩士で高遠藩の藩校・進徳館の師範代も務めていた北原安定(節堂)が廃藩置県による進徳館の閉校に伴い、自宅を使って1875(明治8)年に開塾。漢籍、経書、西洋史、国史などの講義を行っていた。

 土蔵は敷地内に2棟あり、うち1棟は扉が開き武具などが収められているが、1棟は鍵はあるものの建物自体が地盤沈下で傾き、30年以上、開けられていなかったという。読書楼と土蔵は現在、安定のやしゃごにあたる北原俊史さん(67)=東京都目黒区=が所有。地域遺産としての文化的活用を模索して蔵開けを決めた。

 この日は、扉の内側にあり開かなかった木製の引き戸を、専門業者が板目に沿ってのこぎりで切断。人ひとりが入れる隙間をつくり、蔵の中に入った業者が内部から引き戸を開けた。北原さんが蔵の中を確認し、2階から学問所の教科書や、安定が卒業生の就職を上伊那郡代に仲介した書簡の控え、古九谷の大皿、弓などが見つかった。1階には昔のかまどなどがあった。

 北原さんは「内部に入った時、安定の息吹を感じた。市教育委員会に調査を依頼したい。市などと今後の活用方法を相談し、地域のために有効に使いたい」と話していた。

最終更新:9/26(水) 6:01
長野日報