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がん治療で頼るべき情報源

2018/9/29(土) 11:04配信

BuzzFeed Japan

過去3回の記事では、「がんの病院選びの5つのコツ」、「“あなたの名医”の見つけ方」、「あなたの町のお医者さん“開業医”の見分け方」ということで、信頼できる病院や医師を見分ける“視点”を書きつづってきました。

同じ命に関わる病気でも、脳卒中や心臓発作のような急性の疾患と異なり、がんの場合は病気が発覚してから実際の治療が始まるまで、週単位、場合によったら月単位の時間があるのが通常です。

時間があるということは、それだけ情報収集ができることを意味します。

たとえ良い病院、良い主治医に巡り会えたとしても、治療がペースに乗るまでは様々な不安・疑問があふれてきがちで、患者ご本人やご家族が必死になって色んな情報を取られることが多いでしょう。

そんな中で、主治医以外にどのような情報源を頼るべきなのか、またどのような情報源は重視すべきでないのかを考えていきたいと思います。
【寄稿:鈴木英介・医療コンサルタント】

重視すべきでない情報源

まず、多くの方が参考にしがちだけれども、実は重視すべきでない情報源を二つ取り上げます。

一つ目は、患者ブログです。

いきなりこう書いてしまうと、たくさんの方を敵に回してしまうような気がします......。それくらい、多くの患者さんがご自身の体験をブログに書きつづっていますし、他の患者さんのブログを見るということは、がん患者の大半の方がされていることだと思います。

闘病中の困りごとに実はこんなことがある、周囲の人のこんな気遣いがありがたい、入院中にこんなグッズが役立った、などのお役立ち系の情報源として患者ブログは極めて優れています。「わたしだけじゃない」という精神的な支えにもなるというメリットもあるでしょう。

一方で、ブログの中に出てくる治療効果や副作用についての情報は注意が必要です。

二つ理由があります。

一つには、がんの治療は日進月歩で、3~4年前にされていた治療と今のそれとはガラッと異なるということが起き得るからです。

最近では、患者の免疫に働きかける「免疫チェックポイント阻害剤」による治療が、がんの治療体系を大きく変えつつありますし、現在の新薬の開発状況を考えると、この変化のスピードはますます上がることが想定されます。

また、治療薬だけでなく、制吐剤(吐き気や嘔吐を防ぐお薬)や抗便秘薬(お通じを良くするお薬)など、治療に伴う辛い症状を和らげるお薬もどんどん新しいものが出てきています。

もう一つの理由は、同じ年代・性別の人が全く同じ種類・同じステージのがんで同時期に同じ治療を始めたとしても、効果や副作用の出方は個人単位で大きく変わってくるからです。

あるお薬がAさんに効いたからといって、あなたに効くかどうかわからないですし、その薬でBさんが吐き気の副作用で苦しんだからといって、あなたもそうなるとは限りません。

個別の症例について参考にしすぎることの危険性は、がん研究者である医師、大須賀覚先生の「患者の経験談」を使った嘘についてというブログエントリーに詳しく解説されています。

ブログは気軽にアクセスできてついつい引き込まれるものですが、効果や副作用に関する話は、読んでも「こういう話もあるんだな」というくらいのスタンスで受け止めると良いのではないかと思います。

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最終更新:2018/9/29(土) 11:04
BuzzFeed Japan

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