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サマータイムにまつわるあれこれ、英国でもその将来は不透明

9/30(日) 9:01配信

The Telegraph

【記者:Cameron Macphail】
 葉が色づき始め、気温が下がり、日の出が徐々に遅くなってきた。

 もうすぐサマータイム(夏時間)が終わって時間が戻り、ベッドの中でこの上なく幸せなもう1時間を過ごすことができる。だが、なぜ私たちは時間が変わるという煩わしさを経験しなくてはいけないのだろうか?

■いつから時間が変わるのか?

 今年は10月28日(日)の未明に時間が変更される。英国では、午前2時に1時間戻され午前1時となり、グリニッジ標準時(GMT)に戻り、公式に英国サマータイムが終わる。時間が変わるタイミングを覚えておく方法として、「春に進めて秋に戻す」という言葉が使われてきた。

 時間が変わる日を覚えておかなければ、その日の予定が立てられない。時計表示を自動的に変更してくれるスマートフォンなどの機器が普及しているにもかかわらず、時間が変わる日を忘れる人が毎年、身近に1人はいる。

■憂鬱(ゆううつ)な暗さはいつ終わるのか?

 次回は2019年3月31日(日)に、時計が1時間進んで英国サマータイムが始まり、夜が再び明るくなる。

■サマータイムを考案したのは誰か?

 サマータイムは、エドワード朝時代の建築業者ウィリアム・ウィレット(William Willet)氏により1907年に発案された。ウィレット氏は、英ロックバンド「コールドプレイ(Coldplay)」のフロントマン、クリス・マーティン(Chris Martin)氏の高祖父にあたる。

 当時はグリニッジ標準時が年間通じて使われていて、真夏は午前3時に外が明るく、午前9時は真っ暗だった。

 ウィレット氏は、「The Waste of Daylight(日照時間の無駄)」という冊子を作成し、全国的に時間を変えて、早起きしようと訴えた。また、健康的になり、幸福感が増すだけではなく、250万ポンド(現在のレートで約3700億円)の節約になるとも主張した。

 ドイツが1916年4月30日、ウィレット氏の時間を変更する案を実行したが、残念なことにウィレット氏は、その1年前の1915年に流感により58歳で亡くなっていた。

 英国はドイツの約1か月後5月21日にサマータイムを導入。ベルギー、デンマーク、フランス、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スウェーデン、トルコがこれに続いた。

■動かす時間は1時間か?

 現在、時計の針を進めたり、戻したりするのは1時間だが、過去は30分、2時間、20分、40分などさまざまだった。1940年代にはいくつかの国で2時間が採用されていたが、今でも時々、2時間を採用している国がある。

■サマータイム廃止の議論

 サマータイムに反対する人々は、省エネ効果があるか不透明な上、健康上のリスクがある可能性も指摘している。

 1968~1971年にスコットランド北部で1年を通じて英国サマータイムが試験的に導入されたが、殺されたり、深刻なけがをしたりする人が増加した。

 スコットランドの一部地域では午前10時まで完全に日が昇らず、酪農家は午前5時に起床し、暗闇の中で何時間も作業をしなければならなかった。一方、外が明るくないと仕事ができない農家や建設業者は、夕方遅くまで仕事をしなければいけなくなった。

■なぜサマータイムを続ける必要があるのか?

 サマータイムは何十年にもわたり試行錯誤が繰り返されてきた。3月末と10月末に時間が変わるという、現行のスタイルに落ち着いたのは1972年だった。

 サマータイムを支持する人々は、交通事故が減少し、省エネ効果があり、観光を促進し、屋外で運動する人が増えると主張する。

 サマータイムをめぐる議論は数年前から続いており、英国サマータイムの未来は依然として不透明だ。【翻訳編集】AFPBB News

「テレグラフ」とは:
1855年に創刊された「デーリー・テレグラフ」は英国を代表する朝刊紙で、1994年にはそのオンライン版「テレグラフ」を立ち上げました。「UK Consumer Website of the Year」、「Digital Publisher of the Year」、「National Newspaper of the Year」、「Columnist of the Year」など、多くの受賞歴があります。

最終更新:9/30(日) 9:01
The Telegraph

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