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ASKA、本格復帰へ すべての再出発点は「ブログだった」

10/1(月) 11:00配信

エキサイトミュージック

ASKAが2018年に入り、ソロデビュー31周年を迎えた。覚醒剤事件による執行猶予期間が9月に明け、10月より、歌手・ASKAとして音楽活動を再開する――。

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この取材を機会にASKAがほぼ毎日綴っているブログを改めて読み返した。そこには明らかに彼の視点や視野の変化が感じ取れた。ファンや幅広い人に向け、近況はもとより、これからのアーティストや若者へのアドバイスや支援、はたまた同世代に向けての促しや啓蒙も織り交ぜられていた同ブログ。伝えるのみならず、キャッチボールのような相互感や、ただ単に時代を危惧したり、それを嘆くだけでなく、あえてそれらに抗わず、意固地や頑なにもならず、その中での幸せになれる最良な状況や方法を探り、見つけ、それを寄与し、シェアし、啓蒙し、促し、一緒に成長していこうとの真摯さや姿勢が、そこにはあった。

■再出発点はブログだった

――今回、ASKAさんのブログを読み返し、改めてその更新頻度の高さに驚きました。

ASKA:ほぼ毎日更新してますからね(笑)。当初はそんなつもりはなかったんです。これまでもファンの方々の心の動きを感じながらやってきたつもりでしたし。あえてSNSは避けていたんですが、いざブログを始めてみたら、楽しかった。文章を作っていく楽しさの目覚めはもとより、今や作詞にも影響してますね。

――それは歌詞のネタ的にですか?

ASKA:いや、どちらかと言えば、文章や文字が浮かんでくるスピードですね。おかげさまで歌詞を書く時間がホント早くなって。書くという慣習がついたおかげで、書いているうちに次々に言葉が浮かんでくるんです。自分の音楽生活で、こんなにも歌詞で悩まない時期がくるなんてって感じです(笑)。

――そのブログでの伝え方も、以前は一方的に送り出していたものが、いつの間にか、ファンや読む方を前提に、その方々に伝える方向に意識が移ってきた感があります。

ASKA:変わってきたかもしれませんね。ブログの影響は全てにおいて大きいです。これをやっていなかったら、当然今回のベストアルバム(10月17日に発売されるファンが選んだ『We are the Fellows』と、自身が選んだ『Made in ASKA』の2種)は出ていなかったろうし、発想すらなかったでしょう。もちろん会社も立ち上げてないし、「Weare」(自前のハイレゾ専用配信サイト)もレーベル(自主レーベル「DADAレーベル」)も作ってなかったでしょうから。その全ての出発点はブログにあったと今振り返って思います。

■同世代が“時代”に置いてけぼりにならないように

――曲群の配信開始やそれに伴う自前の配信システムの新規立ち上げに関して、ASKAさんは「難しい印象もあるだろうけど、一緒にやってみようよ」「やってみると意外に簡単だし、便利だよ」等、ブログを通じて分かりやすく優しく啓蒙してらっしゃいますよね?

ASKA:僕の音楽を聴いて下さる方には、やはり僕と同世代、もしくは上の方々も多くいらっしゃいますから。スマホにしても電話をかけるだけにしか使わなかったり。「それで精一杯なので、ネットショッピングなんてもってのほか」みたいな。それだとその方々がこれからの社会では、どんどん置いていかれたり、切り捨てられたりしていくのが目に見えてますからね。それは忍びない。時代はすでに仮想通貨です。東京でオリンピックが開催になったら、たぶんもっともっと現金で買い物をしなくなる時代になるでしょう。そんな時に、「分からない」ではすまされないし、ますます生きづらくなっていってしまう。なので、そんな方々に向けて少しずつ一緒に慣れていこうとの気持ちをもって動いてます。ダウンロードやネットショッピングなど、何も難しいものじゃない。覚えてしまえば、もっともっと楽で快適で楽しいよと。まずは苦手意識を無くしてもらう部分から始めてます。

――その一緒に学ぼうよとの姿勢、同感です。

ASKA:仮想通貨やビットマネー等、オリンピックに向けて、これからいきなりガラリと日本が変わると思うし、「分からない」「出来ない」「難しい」と放っておいたままでは、その多くの人が変化のスピードについていけなくなるでしょうから。でも、国際化していかなくてはならない実情、そのような生活スタイルの変化は必ず起こります。そんななか、「分かりません」「知りません」では生きていけない。その際にも対応できるように一緒に学んでいきたいんです。うかうかしてたら何もできなくなる状況が間もなくやってきますから。そこで切り捨てられて欲しくない。文化が変化していくうえでは、必ず切り捨てられる者が出てくるので。なるべくそういった方を増やしたくないんです。

――最近のASKAさんの一連の行動には、上の世代の方に対しても、これからの世代に対しても、何か道を開いてあげている感があります。

ASKA:自分が動き過ぎているのか? 回りが動けていないのか? 自分でも分からないですけど(笑)。今後もなるべく遠いところを見ながら進んでいきたいですね。

今回のインタビューでは前後編の2回に分けてお送りする。後編では、現在の音楽業界やこれからのミュージシャンに対しての想い、そしてベストアルバムについてじっくり聞いているので、そちらもご期待を。

取材・文/池田スカオ和宏
撮影/石井 小太郎

【プロフィール】
1979年CHAGE & ASKAとして「ひとり咲き」でデビュー。「SAY YES」「YAH YAH YAH」「めぐり逢い」など、数々のミリオンヒット曲を世に送り出す。音楽家として楽曲提供も行う傍ら、ソロ活動も並行し、1991年にリリースされた「はじまりはいつも雨」が、ミリオン・セールスを記録。同年のアルバム「SCENEII」がベストセラーとなり、1999年には、ベスト・アルバム「ASKA the BEST」をリリース。また、アジアのミュージシャンとしては初となる「MTVUnplugged」へも出演するなど、国内外からも多くの支持を得る。2017年には、自主レーベル「DADA label」より、アルバム「Too many people」「Black&White」 等をリリース。