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「ピロリ菌」除去が最良法 胃がんで死なないために

10/1(月) 11:29配信

山陽新聞デジタル

 現在、日本においてがんで死亡する人は年間約37万人で、男性の4人に1人、女性は6人に1人ががんで死亡します(2017年)。臓器別では男女合計で肺、大腸、胃の順に死亡数が多く、また新たにがんと診断された罹患(りかん)数(2014年)では、大腸、胃、肺の順になっています。胃がんで死亡する方は次第に減っていますが、かかる人は2番目に多いという状況です。

 胃は食道と小腸の間に位置する袋状の臓器です。主な役割は食物を一時的に貯蔵し、その食物を消化することです。胃の粘膜から出る胃液と混ぜて粥(かゆ)状にして、吸収を行う小腸に押し出していく働きをします。

 胃がんはその粘膜の細胞ががん細胞になって、増殖することで起こります。がんの原因については、いくつかのリスク要因が指摘されています。中でも、喫煙や食生活などの生活習慣、ヘリコバクターピロリ菌の持続感染などが疑われています。ヘリコバクターピロリ菌に感染した人のすべてが胃がんになるわけではありませんが、現在、除菌治療を受ければ胃がんにかかるリスクが低下するという研究結果が集積されつつあります。

 胃がんの症状は、早い段階ではほとんどありません。がんが進行するにつれて、胃の痛み・不快感・違和感、胸やけ、吐き気、食欲不振などが出てきますが、これらは胃炎や胃潰瘍の場合でも起こります。

 胃がんの検査については、基本的に胃エックス線検査(バリウム検査)、内視鏡検査などで発見し、最終的には胃カメラでの生検(組織を採取する検査)で確定診断となります(「胃がん診断の流れ」参照)。進行程度などを調べるためにCT検査、PET検査などが行われます。これらにより病期(ステージ)分類が分かり、治療法が決まります(「ステージ別治療法」参照)。

 非常に早期の粘膜内にとどまるがんであれば内視鏡治療(EMR・ESD)、それを超えていても早期がんの範囲であれば多くは腹腔鏡(ふくくうきょう)による胃切除(「胃がんに対する腹腔鏡手術」参照)が行われ、進行がんであれば開腹による胃切除手術が行われることが多いです。しかし、病変の場所や広がりなどにより、胃の切除方法(全摘か一部切除かなど)は異なることがあります。

 また、がんが胃もしくはその周囲のリンパ節にとどまらず、他の臓器や腹膜などに転移しているときは、手術を行わず、化学療法などの治療が行われます。化学療法は、以前は胃がんにあまり効果がないといわれていましたが、近年は効果が期待できる治療薬が次々に開発されています。

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