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吉田輝星が自己最速152キロ 巨人ドラ1決定を鹿取GMが明言

10/3(水) 12:00配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 今夏の甲子園準優勝投手でドラフト1位候補の金足農(秋田)吉田輝星(3年)が2日、高校最後の公式戦で、自己最速を2キロ更新する152キロをマークした。

 福井国体の常葉大菊川(静岡)戦に先発。二回に152キロをマークして球場をどよめかせると、五回まで4安打無失点、圧巻の11奪三振の快投を見せた。六回から右翼のポジションへ回った吉田は、打っても先制打を放ち、7―0のコールド勝ちに貢献。台風の影響で準決勝、決勝が打ち切りとなるため、「国体1位」で有終の美を飾った。

 国体が行われている福井でも吉田人気は健在だった。登場は第4試合にもかかわらず、この日の早朝にはチケットを求め、700人ほどが長蛇の列をつくった。

 今夏は秋田大会初戦から甲子園準決勝までの10試合を完投。1517球を投げた。甲子園では横浜や日大三などの強豪校を次々に撃破。決勝で大阪桐蔭に敗れたものの、通算50イニングを投げ、62奪三振で「金農フィーバー」を巻き起こした。

 高卒で即プロ入りか、大学を経由してプロを目指すのか。吉田はこの日、注目の進路について、「時間がなくて話し合いができなかった。両親としっかり話し合いたい。後悔しない道を選びたい」と明言を避けた。

 そわそわしているのは、他ならぬ巨人である。甲子園終了後、吉田は好きな球団として「巨人」を挙げている。「行きたい? はい。行きたいです!」と素直な憧れを口にし、球界に波紋を呼んだ。実力はもちろん、夏の甲子園100回記念大会という大舞台で「スター性」を証明した。巨人はどうするのか。

 鹿取義隆GM(61)を直撃した。

「金足農の吉田を指名?いい投手ですよね。球にスピンが利いてて。甲子園を沸かせましたしね」と言ってこう続けた。

「まあ、せっかくああ(巨人に行きたい)言ってくれていますし、気持ちに応えたいですよね」

 高橋由伸監督(43)は就任3年で全てV逸。巨人は最長タイとなる4年間もリーグ優勝から遠ざかる。さらに残り2試合で借金6と2006年以来の負け越しが確定している。

 投手陣が問題視される。今季、開幕から先発ローテーションを守り通した先発は菅野のみ。最大の補強ポイントは「将来的にエース、ローテの柱となる投手」である。

 リリーフ陣はさらに苦しい。今季はマシソン、カミネロ、沢村が故障などで相次いで離脱。当初の勝利の方程式が崩壊したことで、救援陣は10勝20敗、1点差試合は12勝24敗という信じられない勝率で、V逸の最大の要因となった。当然、球団内では「即戦力投手を指名すべき」という意見が上がっているという。

 鹿取GMは静かにうなずいた。

「そうですね。東洋大?には3人いて、日体大?にも2人いい投手がいますよね」

 GMが認めた5投手は、東洋大の甲斐野が最速159キロ、上茶谷が151キロ、梅津が153キロ。日体大の松本が155キロ、東妻が155キロ。いずれも上位候補に挙げられる剛腕である。が、鹿取GMはこう明言した。

「それに比べて高校生の吉田は即戦力じゃない?うーん、でもいい投手ですから。吉田は1位最有力? はい。プロ志望届を出せば、そうなります」

 チーム事情としては大学生の即戦力投手が欲しいところ。それでも吉田の1位指名に踏み切る背景には「スター不在」が挙げられる。さるチーム関係者は「昨年は迷わず1番人気の清宮の1位指名に踏み切ったように、『甲子園のスター』というのがポイント。あの松井秀喜以来不在といわれ、それほど球団はスター選手を求めているのです」と言う。

 たとえ育成に数年かかる高校生でも、甲子園で勝ち取った人気と知名度、そして何より「巨人愛」を持つ吉田を1位に決めたようだ。

 甲子園前には八戸学院大への進学が有力視されていた。それがここまで結論が出ていないのは、プロ入りに気持ちが傾いている可能性が高い。プロ志望届の提出期限となる11日まであと1週間。巨人は吉田の決断を固唾をのんで見守っている。