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ノーベル賞受賞で相談殺到 誤解してほしくない免疫療法

2018/10/3(水) 11:01配信

BuzzFeed Japan

画期的な薬だが、万能薬ではない

がん患者の治療を日々行う日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科教授で腫瘍内科医の勝俣範之さんも今回の受賞を祝いながら、「夢の薬」として持ち上げすぎる報道に注意を促す。

「免疫チェックポイント阻害剤は、これまでの治療薬と全く違う作用で、初めて従来の抗がん剤の効果を上回った画期的な薬です。再発・進行がんへの適応がほとんどですが延命効果も明らかになり、悪性黒色腫では手術後の投与で治癒率が上がることもわかっています。今後のがん治療薬で中心的な役割を果たす可能性があるのも確かです」

「しかし、よく効果が出る人は2割程度で、皮疹や甲状腺機能の悪化、免疫に作用するのでリウマチやギランバレー症候群のような自己免疫疾患など重い副作用もよく見られます。期待を持たせ過ぎるのは危険です」

最近では、自由診療のクリニックが、効果の証明されていない免疫細胞療法だけでなく、通常の2~3割の量でオプジーボを投与して副作用が少ないとうたったり、オプジーボと免疫細胞療法を組み合わせて『アクセル+ブレーキ療法』と効果が強化されているように見せかけたりすることもある。

勝俣さんは、保険診療では免疫チェックポイント阻害剤を受けられないがんの患者が、ノーベル賞報道で期待を持ち、適切でない形で免疫チェックポイント阻害剤を提供するクリニックに引き寄せられるのを心配している。

「免疫チェックポイント阻害剤は効果が出るように使うのが難しいですし、副作用に対応するためにも、製薬会社が施設要件や医師要件を定めています。こうした要件を満たさないクリニックでは適正な使い方もしませんし、副作用が起きた時の対応もできません。患者を食い物にしており非常に無責任です」

日本臨床腫瘍学会は、2016年7月に、不適切な施設が免疫チェックポイント阻害剤を個人輸入して、効果が証明されていないがんにも使っていることに注意を促している。

製薬会社も効果不明な免疫細胞療法と免疫チェックポイント阻害剤を併用し、重い副作用で死亡した患者が出たことを医薬品医療機器総合機構に報告している。

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最終更新:2018/10/7(日) 11:05
BuzzFeed Japan

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