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「犬のおまわりさん」ヒグマ寄せ付けず 北海道犬が畑の食害防ぐ

10/3(水) 12:40配信

北海道新聞

犬の尿の臭い効果 森町・白瀬農園でパトロール

 【森】ヒグマによる農作物への被害が全道で相次ぐ中、渡島管内森町の白瀬農園では、国の天然記念物の北海道犬が食害対策で活躍している。8月から北海道犬を連れてパトロールを始めたところ、犬の気配や尿の臭いを嫌ってヒグマが近寄らなくなり、被害が激減した。北海道犬はアイヌ民族がヒグマ猟に伴うほど勇敢なことで知られ、本州ではイノシシ猟に重宝されている。しかし、飼育数は年々減少しており、関係者は「ヒグマ対策に活用することで、北海道犬を見直す動きが広まれば」と期待する。

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 道猟友会森支部などでつくる森町ヒグマ被害対策本部によると、町内のヒグマの目撃や農作物被害などの情報は昨年度66件に達し、統計を開始した1991年度以降最多に。本年度も9月末時点で52件に上り、特に畑での食害が深刻化している。

 白瀬農園では12ヘクタールの畑でスイートコーンやカボチャなどを栽培するが、昨夏は収穫間近にコーンの一部を食い荒らされる被害が出た。対策に頭を痛めていたところ、会員制交流サイト(SNS)で北海道犬を知り、昨秋、猟犬用に繁殖された雄の子犬1匹を譲り受け、「小太郎」と名付けた。主従関係を徹底させ、基本的なしつけを行った後、森の中にあるコーン畑や周囲の獣道などを覚えさせた。

 1歳になった今年8月から毎朝パトロールを開始。獣道を走り回ってクマの痕跡を探し、尿による臭いづけ(マーキング)を行ったところ、ほぼ食害がないまま、9月上旬、無事に収穫を終えた。飼い主の白瀬真さん(44)は「8月初旬の長雨後、パトロールをサボった日に3本味見されただけで済んだ」と驚く。

最終更新:10/3(水) 12:40
北海道新聞