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「大阪市中央公会堂」100周年で北浜の風雲児ミュージカル

2018/10/4(木) 11:00配信

THE PAGE

 大阪のシンボルでもある「大阪市中央公会堂」は、中之島の地に建つネオルネッサンス様式の建物だ。今年の11月で開館100周年を迎える。個人の寄付によって建てられ、その誕生のために莫大な私財を投じながら、完成を待つことなく鬼籍に入った人物がいた。それが「義侠の相場師」「北浜の風雲児」などと呼ばれた株式仲買人、岩本栄之助だ。そんな人物の波乱万丈の人生をミュージカル化した作品が『愛が降る街~岩本栄之助物語』。同公会堂がリューアルされた2003年に創作・初演、文化庁芸術祭参加作品となったが、このほど再び100周年を記念し、11月1日に同公会堂の大集会室で再演が決まった。関係者にその意気込みを聞いた。

市民の文化・芸術の活動拠点として親しまれている大阪市中央公会堂

 株式仲買人だった栄之助は1907年(明治40年)、株式市場の大暴落時に、大阪株式取引所(現大阪証券取引所)の仲買人らの訴えで、全財産を投じて市場を買い支え、北浜の仲買人らの窮地を救った。「北浜の恩人」「北浜の風雲児」と日本中から注目を浴びた。

 その後、財界による渡米実業団に渋沢栄一らとアメリカを視察し、現地富豪の公共事業への寄付に感激。当時の100万円(現在の70億~100億円)を寄付して、大阪市中央公会堂の建設に乗り出した。だが、第一次世界大戦勃発の影響による高騰相場で、莫大な損失を出す。1916年(大正5年)10月、自宅でピストル自殺。享年39歳。公会堂は、その死から2年後の1918年11月に完成した。現在は国の重要文化財に指定されており、市民の文化・芸術の活動拠点として親しまれている。

 SHOW-COMPANY(大阪府八尾市)のミュージカル『愛が降る街~岩本栄之助物語~』は、生きることの素晴らしさを謳い上げる感動の作品となっている。このほど行われた記者会見で、脚本担当のえーぱん氏は「大阪市の建物と思っていたんですが、1人の人が寄付したお金で建てられたものだと知りました。最後は悲しい亡くなり方をされましたが、この公会堂のために生まれて来た人やなーと思います」と話した。

 また、プロデューサー&演出を手がけ、栄之助を演じる阪上めいこさんは「初演の時、岩本栄之助さんという方のことを知らなくて、誰がやるのかと思った。メンバーの中で私が背がいちばん高くて選出されましたが、自分には演じる資格がないと当初は思っていました」と振り返った。

 そして最後に、「まさかもう1回やるとは思ってなかったけど、やっぱりやらせていただきたいと思いました。男性を女性が演じるのですが、心の部分で演じさせていただきたい。何かをお伝えできるのではないかと思っています。ここで結婚式を挙げた私の知り合いもいますし、100周年をお祝いして、たとえ赤字になっても、ぜひやりたいと思いました」と胸の内を明かしていた。
(文責/フリーライター・北代靖典)

最終更新:2018/10/17(水) 18:14
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