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トランプ“信任投票”どころじゃない!アメリカ中間選挙は“天下分け目の戦い”

10/4(木) 20:04配信

FNN PRIME

なぜみんな投票に行きたがるのか?

11月6日に投開票されるアメリカ中間選挙へのアメリカ国民の関心が、かつてない高まりを見せている。アメリカの無党派非営利の調査機関『ピュー・リサーチ・センター』が9月後半に行った世論調査によると、「必ず投票する」という人は過去10回の中間選挙で最多。民主党支持者の67%、共和党支持者も59%が「これまでより投票することに熱意を持っている」と回答した。有権者登録率も過去最高の72%にのぼっている。

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通常、中間選挙の投票率は40%弱なので、回答者の『熱意』がそのまま投票に結びつくとは限らない。しかし今回、野党である民主党の支持者の『熱意』が、2010年の中間選挙で当時のオバマ大統領に『ノー』を突きつけた野党共和党の『熱意』を10ポイント上回ったことは特筆に値する。

一方で、現在の共和党支持者の『熱意』が、その2010年を上回っていることも異例だ。
一般に中間選挙は、その2年前に当選した大統領に対して野党側が力強く『拒否』を表明し、与党側の『支持』は盛り上がらないのが通例だ。しかし今回の中間選挙で共和党は、与党としてのトランプ『
支持』が6年前の野党としてのオバマ『拒否』を『熱意』で上回っている。

つまり今回の中間選挙では、与党共和党支持者も野党民主党支持者に負けず劣らず、熱くなっているのだ。では、なぜ関心の高い中間選挙となっているのか?

信任投票と思ったら大間違い!

表題の通り、この中間選挙は「トランプ大統領の信任投票」と捉えたら大間違いになる。
今回は明確に「上下両院の多数を支配する党を決する選挙」と意識されているからだ。
「どちらの党が議会を支配」するかを投票の際に考慮するという割合は、民主党支持者の77%、共和党は73%で、いずれも過去20年間の中間選挙で最多だ。

その背景には、民主党支持層はもちろんのこと無党派層も「共和党が議会多数を維持するとトランプ政権へのチェックが甘くなる」という意識が強まっていることがある。一方、共和党支持層には「民主党が多数を取るとトランプ政権への調査・介入が過剰になる」という懸念がある。

そして、2018年の今だからこそ、「議会の支配党」がどちらになるかが重大な意味をもつ。
連邦最高裁判所の保守化が加速するか、それともリベラルがストップをかけるかの天王山の選挙だからだ。

現在、トランプ大統領が指名したカバノー判事の承認審議が議会上院で行われており、上院共和党のトップは「今週中に本会議で裁決する」構えだ。

カバノー氏が承認されれば最高裁は保守5人リベラル4人の構成となる。
加えて、人事承認権を持つ上院で共和党が多数を維持すれば、今後2年の間にもう1人保守派の判事を最高裁に送り込める可能性が小さくない(現況8人の判事のうち、最高齢の85歳、次に高齢の80歳はいずれもリベラル派で交代の可能性を考えざるを得ない)。

民主党とその支持者にとっては、トランプ大統領の任期があと2年あることは中間選挙ではどうしようもない。

しかし、ここで上院の共和党支配を逆転できなかったら最高裁の保守化が長く定着してしまう。判事構成が保守6人リベラル3人になってしまったら、バランス状態に戻すには各判事の年齢や判断傾向を考えると20年くらいの歳月がかかっても不思議ではない。それだけの長期間、保守的な最高裁が続くとしたら民主党支持層にとっては耐えられない事態だ。

従って、民主党の戦略は、「保守派のカバノー氏の承認に徹底抗戦する」。もしもカバノー氏が承認されてしまったら、これ以上の最高裁の保守化は決して許されない!という強い危機感で支持層を駆り立て、中間選挙ので必勝を期すというものだ。
最高裁のことを考えたら上院での多数を奪還することが是が非でも必要だ。
最高裁の支配をめぐる天王山も、正にこの中間選挙なのだ。

こうした厳しいせめぎ合いが進行中だからだろう、ピュー・リサーチ・センターの調査で、2018年の投票で「有権者がとても重要だと考える事案」のトップは「最高裁判事の任命」だ。民主党支持者の81%、共和党も72%、全体の76%がそう回答している。僅差ながら健康保険、経済、銃規制などを押さえてのトップ事案だ。これまでの中間選挙ではそんなことはなかった。

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最終更新:10/4(木) 20:04
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