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よく見聞きする「モフモフ」、辞書に載ってないけど、なぜ広まった? 【校閲記者がことばを深掘り】

10/9(火) 7:30配信

withnews

 ネットやテレビで「モフモフ」という新しいことばを見る機会が増えました。犬や猫、ウサギ、アルパカ……。柔らかで豊かな毛並みの動物について言われることが多いようです。転じて、毛足の長い動物をなでることを「モフる」、動物そのものを「モフモフ」と呼んでいたり、動物以外のものにまで使われることも。モフモフが広がっている背景を探りました。(朝日新聞校閲センター・市原俊介/ことばマガジン)

【画像】モフモフしたユキヒョウの赤ちゃん、モフモフした秋田犬を抱くフィギュアスケートのザギトワ選手

2000年代に入ってから

 いかにも柔らかそうな雰囲気のあるこのことば、書籍の国語辞典ではまだ見当たりません。

 一方で、NHKで動物番組のタイトルに使われたり、SNSでは動物の写真に添えられていたりと、何かと目にする機会が増えています。

 ことばが人に与える印象について研究する電気通信大教授の坂本真樹さん(認知科学)によると、モフモフということばが使われるようになったのは2000年代に入ってから。10年あまりであっという間に広がったそうです。

 「音の響きそのものが、それまで使われることの多かった『フワフワ』や『フサフサ』よりも優しく、あたたかいのが特徴。柔らかさを表すだけではなく、対象への愛情をこめて使われることが多いのではないでしょうか」

感じているままの感覚を相手に伝えたい

 モフモフやフワフワなど物事の様子を表す擬態語や、ワンワンやニャーニャーといった動物の鳴き声などを表す擬音語を「オノマトペ」といいます。

 国語学者の中村明さんの「語感の辞典」では、オノマトペは「通常、擬声語と擬態語との総称」で、「物事を感覚的にとらえるオノマトペの豊富なことが日本語の語彙(ごい)の特徴の一つ」とされています。

 モフモフのような新しいオノマトペが作られる背景には、既存のことばでは言い表せない、自分が感じているままの感覚を相手に伝えたいという、ことばの使い手の強い思いがある、と坂本さん。

 「新しい表現が受け手の『そうそう。まさにそんな感じ』という共感を生むと、たくさんの人が使うようになる」。モフモフは動物の毛という具体的な手触りのあるイメージと結びついたことで、共感が生まれやすくなったのではと指摘します。

 ネット上では、動物以外にも、起毛のひざかけやニット帽、タンポポの綿毛などにもこのことばが使われているのを目にします。

 語感のあたたかなイメージが多くの人の共感を生んで、さらなる広がりを持ちつつあるようです。

最終更新:10/9(火) 7:30
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