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高橋大輔、ど緊張復帰!7日近畿選手権で1696日ぶり実戦/フィギュア

10/6(土) 7:00配信

サンケイスポーツ

 フィギュアスケート男子で現役復帰する2010年バンクーバー五輪銅メダリストの高橋大輔(32)=関大KFSC=が5日、兵庫県の尼崎スポーツの森で行われた近畿選手権の開会式に参加した。7日の男子ショートプログラム(SP)で14年ソチ五輪以来1696日ぶりの実戦に挑む元世界王者は、緊張感を胸に、地方大会から12月の全日本選手権(大阪・東和薬品ラクタブドーム)を目指す。

 新たなスケート人生は不安と隣り合わせで幕を開ける。競技会でリンクに立つのは実に1696日ぶり。わずか10人で争う地方大会を前に、世界を極めた五輪メダリストを緊張感が包む。黒のスーツに紺のネクタイで開会式に臨んだ高橋の表情は少しこわばっていた。

 「試合に向けたモチベーションの上げ方って、どんなだったけ…。今の状況で表彰台に乗れるのかな」

 7月に電撃復帰を表明。8月の練習中に左内ももに肉離れを負った影響で調整は遅れた。回復具合は良好も、今度はかえたスケート靴が合わずに滑り込めなかった。「(復帰を待つファンを)考える余裕すらないくらいに緊張する」。プログラムに組み込む策もあった4回転ジャンプは回避し、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)までを跳ぶ構成で臨む。

 拠点の関大では、プロスケーターの織田信成(31)とともに汗を流してきた。現役引退から5年がたちながらも当然のように4回転を跳ぶ仲間を見るにつけ、弱気の虫が顔を出した。

 「信成が復帰した方がよかったんじゃないかなってくらい。おれはなんで復帰したんだろう…」

 それでも競技者としてリンクに戻ったのは、後輩スケーターの熱演に闘争心を呼び覚まされたからだ。右膝痛を抱えながら臨んだ2014年2月のソチ五輪で6位入賞も、代償は大きく、続く世界選手権は欠場。同年10月の引退会見では「現役に未練がないわけではない」と言い残した。

 第一線を退いてからはテレビのナビゲーターとして選手を追った。平昌五輪の代表選考会となった17年末の全日本選手権もリポート。男子より1枠少ない、わずか2枚の切符を争った女子の演技も見守り、情熱のスケーターの心は動いた。

 再び、真剣勝負の舞台へ-。8日のフリーまでを完走して順位が付けば、目標とする12月の全日本選手権行きが懸かる11月の西日本選手権へ駒を進められる。

 無料開放の予定だった座席は、混乱を避けるため全席指定の有料に。男子SPは7日午後3時開始で、高橋は7番滑走で登場だ。「自分がどう評価されるかを知るのが目標」。かつてない緊張感を抱きながら、年齢が一回りも下の選手と争う32歳の心の奥底で静かに闘志が燃える。