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阪神戦力外の今成、“日本一のファンサービス”を知る男

10/8(月) 15:00配信

サンケイスポーツ

 【球界ここだけの話】わかっていはいても、寂しい季節である。来季は構想外、という通告と受け、一人、また一人とチームを去っていく。プレーでも、ファンを喜ばすパフォーマンスでも虎党から愛された今成も今季限りでタテジマに別れを告げることになった。

 「(球団から)戦力外といわれたけど、それは受け止めて、僕自身、野球をやりたい気持ちがあるので、トライアウトか他球団から声がかかるように準備していきたいですね」

 クラブハウスでの話し合いを終え、スーツ姿で現役続行の決意を語った。2012年に若竹竜士とのトレードで日本ハムから移籍し、本職は捕手だったが高い打撃センスをいかして14年には内野手として115試合に出場してチームに貢献した。

 「阪神にきての初ヒットが日本ハム戦だったかな。日本ハムの選手からも拍手をもらったり、うれしかった」

 印象に残る一戦は数え切れないというが、両軍から声援をもらった虎初ヒットはかけがえのないものだった。プレーで勝利に貢献する姿はもちろんだが、ファンにとって印象深いのは明るいキャラクターだろう。

 普段から若手にベテラン、助っ人までいじって場を盛り上げ、オフのファン感謝祭では仮装や軽妙なトークで甲子園をわかせてきた。その“ルーツ”は、日本ハムを06年に日本一に導いた偉大な先輩らの姿に学んだ日々だ。

 「日本ハムにいたとき、ファンサービスファーストと1年目からいわれていたんだよね。入団したときに新庄さん(元阪神)や、稲葉さん(現野球日本代表監督)が率先してやられていた。タイガースでも、そういう風にやりたかった」

 05年に浦和学院高からプロ入りするとファンへの意識をたたき込まれ、1つの信条としてきた。

「ほんとうは、何かやってといわれてするのって大変なんだよ」と笑っていたが、グラウンドでもファンサービスでも常に周囲の期待に応えようと努力してきた。

 「(阪神で)7年間やってきて、ファンの温かいヤジがありがたかった。今後も自分のすじをもって、やっていければいいと思います」

 今季、1軍での出番はなかったが華麗なフィールディングは健在で、31歳とまだまだ働き盛りだ。“日本一のファンサービス”も知っている。NPBで戦うチャンスは、必ずあるはずだ。(新里公章)

最終更新:10/13(土) 12:10
サンケイスポーツ

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