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海の安全を守る「海上保安庁」のゲンバに密着

10/8(月) 10:00配信

CBCテレビ

海に囲まれた日本を守ることを任務とする機関・海上保安庁。警察のように海の上の治安を維持したり、消防のように船の消火や人命救助などを行い、海の安全を守っている。

10月7日(日)に放送した「ゲンバビト」(CBCテレビ製作/TBS系列28局ネット)では、日本の海を守る海上保安庁に注目。2人のゲンバビトに密着した。

海の厳しさを叩き込む教官

広島県呉市。ここに、将来の海上保安官の育成を行う『海上保安大学校』がある。学生たちは、船での厳しい生活に備えて、ここで規律ある行動を徹底して叩き込まれ、4年間の寮生活を通して、海を守るための知識や技術を身につけるのだ。今回は、学生たちを指導する訓練教官の増井祐輔さんに密着した。

この日行われていたのは、潜水訓練。潜水は、海での救助において全ての基本となるという。まずは、水中での救助時間を確保するため、水の中で1分間息を止める呼吸停止の訓練から。増井教官の大きな掛け声とともに、学生たちが一斉にプールの中に潜る。水中での1分は長い。しかし、救助には不可欠な訓練のため、何度も繰り返し行われる。みんなが潜水しているなか、1人だけ耐えきれずに顔を上げてしまう学生がいた。少しずつ克服は出来ているものの、少し水が怖いのだという。

さらに、訓練は続く。続いては4メートルの高さの台からプールに飛び込む訓練。これは、救助のために船から飛び込む時を想定したもの。海では船が近づいてきて当たる恐れもあるため、飛び込んだら船から離れることが必要だそう。実際に上からのぞいてみると、足がすくむような恐怖を感じる。学生たちは飛び込む際に、声を出して準備ができたことを知らせるが、少しでも声が小さいと、増井教官の檄が飛ぶ。海では、波や風の音で声が遮られることもあるため、常に大きな声で意思疎通を図ることが大切なのだ。先ほどの呼吸停止の訓練で、顔を上げてしまった学生の順番がやってきた。1度目の合図が出たときには、恐怖のあまり飛び込むことができなかったが、2度目の挑戦で見事に水の中に飛び込んだ。学生に声をかけながら、その姿を見守る増井教官。
「本当は怖くて仕方なかったんでしょうけど、しっかり大きな声を出して自ら飛んだので立派だと思います」

訓練で厳しく学生たちを追い込む増井教官。そこには、ある思いがある。
「彼らには、ゲンバに出て活躍してもらいたいという気持ちもあるんですけど、一番はケガなく。もっと言いますと、ゲンバで死んでほしくない」
増井教官も、海上保安大学校の卒業生。卒業後は、潜水士として、海難事故に遭った人を直接救助する任務にあたったという。
「海で救助に行くとなっても、正直なところ亡くなられている方は多い。それでも1人でも多く救いたい」
極限状況のなか、人の命を救う難しさ。厳しい訓練を通して、それを伝え続けているのだ。
訓練終了後。増井教官のお宅にお邪魔すると、奥さんが出迎えてくれた。現在妊娠8か月で、11月に出産予定だという。そこには、訓練中の厳しい表情とは打って変わり、穏やかな笑顔を浮かべる増井教官の姿があった。

翌日の潜水訓練。この日は増井教官もプールに入り、直接指導を行う。始まったのは、水の中で腰に巻く重りを装着する訓練。その目的は、水中の救助などで、想定外のことが起きた時にも冷静に対処し、パニックにならないようにするため。まずは、増井教官がお手本を見せる。ポイントは、重りを掴み、自分の身体を回転させて腰に乗せること。無駄のない動きで、スムーズに重りを装着する増井教官。さっそく、学生たちも訓練開始。陸上では簡単な動作も、水中では難しい。なかには、教えられたのとは逆方向に回転してしまう学生もいた。今はプールでの訓練だが、海では何事にも落ち着いて行動しなければ命の危険につながる。そのため、学生ができるようになるまで、何度も繰り返し指導を行う。
「危険な仕事ではあるんですが、命に関しては大切にしてほしいです。自分たちにも家族がいますし、大切な人はいると思うので、厳しく指導しています」
海の厳しさと、命の尊さを学生に教える増井教官。それらを学んだ学生たちが、卒業後幹部候補としてさまざまな部署に配属され、日本の海を守る。

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最終更新:10/8(月) 10:00
CBCテレビ

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