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大迫、過酷強風負けず“5分台”は世界基準の米練習

10/8(月) 4:58配信

日刊スポーツ

大迫傑(27=ナイキ・オレゴンプロジェクト)が異次元の走りで日本記録を塗り替えた。

【写真】日本実業団陸上競技連合の西川晃一郎会長から報奨金1億円の目録を受け取る 大迫傑

過酷なコンディションの中、世界のトップと互角に走り2時間5分50秒で3位。今年2月に設楽悠太(26)が出した2時間6分11秒の日本記録を大きく上回り、6分の壁を破るとともに報奨金1億円も手にした。優勝はモハメド・ファラー(35=英国)で2時間5分11秒。8位の藤本拓(29)が2時間7分57秒でマラソングランドチャンピオンシップ(来年9月)の出場権を手にした。

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米国で磨いた強さは本物だった。激しくペースが上下する過酷なレース。他の日本勢が次々と遅れる中、大迫はトップ集団から離れなかった。最後は優勝したファラー(英国)に離されたが、3位でゴール。報奨金1億円に笑顔をみせた。

「過酷だった」と大迫本人が言うほど、厳しいコンディションだった。強い風にペースを乱された。20キロから25キロは15分28秒の超スローペース。その後の5キロで1分近くペースが上がった集団についていった。視察した男子マラソン五輪強化コーチの坂口泰氏(57)が「これまでの日本人ではない」と驚く適応力。「世界基準の練習をしているから」と同氏は説明した。

世界のトップが米オレゴン州に集まる「ナイキ・オレゴンプロジェクト」入りしてから3年。「世界レベルの力」を手に入れた。日本人の骨格や筋肉では、難しいと言われるつま先着地の「フォアフット走法」を磨き、質の高いトレーニングも積んだ。8月からは米ボルダーで1カ月の高地トレ。「順調にきている」と胸を張って話していた。

チームメートから刺激を受けた。この日優勝したファラーや、昨年優勝のラップ(米国)らと一緒に走ることを楽しみにしていた。「彼らがモチベーションになっている。それを発揮することができた」と仲間との「世界基準」の競り合いを振り返った。

日本記録更新は狙っていた。「1億円と言っても、けっこう税金で引かれる」と報奨金を意識していた。この日は前半のスローペースで記録更新は難しくなったが「後半上げられた。最後はきつかったけれど(日本記録は)いけると思った」と冷静に分析した。

目標は2年後の東京五輪(オリンピック)での金メダル。来年2月の東京マラソンを経て、9月のマラソングランドチャンピオンシップに臨む。坂口氏は「5分台に入れば、メダル圏内。可能性が出てきた」と快走を喜んだが、本人は「日本人でも優勝争いに絡めることは証明できたが、トップは取れなかった。まだ、まだ、まだ」と納得した様子はない。3度目のマラソンで半端ない走りをみせた大迫だが、まだまだ進化は続く。(シカゴ=荻島弘一)

最終更新:10/8(月) 10:43
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