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<IPCC>1.5度上昇でサンゴ7割が死滅 特別報告書

10/9(火) 21:47配信

毎日新聞

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は8日、地球温暖化の影響で早ければ2030年にも産業革命前からの平均気温上昇が1.5度に達し、サンゴの大部分が死滅するなど地球環境の急速な悪化を予測した特別報告書を公表した。温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」で目標とした2度上昇に比べ、海面上昇のリスクにさらされる人々を1000万人ほど減らせるなど、気温上昇を1.5度に抑えることの重要性を示した。

 IPCCの第5次評価報告書などによると、化石燃料を燃やすなど人為的な温室効果ガス排出などによって、地球の平均気温は既に約1度上昇したと推測されている。韓国・仁川で6日まで開催されたIPCC総会でまとめられた報告書では、このまま温暖化が進めば2030~52年の間に1.5度を超える可能性が高いと結論付けた。

 気温の上昇を1.5度に抑えるために、人為的な二酸化炭素(CO2)の排出量を50年ごろには実質ゼロにする「脱炭素化」の必要性を強く指摘した。また「石炭火力発電もゼロにする必要がある」と指摘している。

 このほか、2100年までの約100年間の地球の平均海面上昇は、1.5度上昇に抑えると、2度の場合よりも4~16センチ低い、26~77センチと予測された。2度上昇する場合、夏季に北極海が凍結しない頻度は10年に1度としたのに対し、1.5度上昇では100年に1度ほどにとどまるとした。

 動植物については約10万5000種を調べた結果、2度上昇すると昆虫の18%、植物の16%、脊椎(せきつい)動物の8%が生息域の半分以上を失うとした。一方で1.5度上昇に抑えると、そのリスクを軽減できると予測した。中でもサンゴは2度上昇でほぼ絶滅するとされているが、1.5度では10~30%は生き残る可能性があるとした。

 IPCCは報告書で「誰もが安全で持続可能な世界を確保する上で、今後数年間の取り組みが極めて重要となる」と強調。各国がさらに厳しく温室効果ガス削減に取り組むよう促した。特別報告書は今年12月にポーランド・カトウィツェで開催される気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)でパリ協定の実施指針を策定する上での重要な資料となる。【五十嵐和大】

最終更新:10/10(水) 1:32
毎日新聞