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「同性パートナーが治療の説明から排除」「男女どちらの入院部屋?」 LGBTが直面する壁

10/9(火) 11:10配信

BuzzFeed Japan

手術や治療の説明から同性パートナーが排除される、戸籍上は男だけど見た目や身体を女性に変えたため男女どちらの部屋に入院させられるかわからないーー。

身体を他人に見られることが多く、病名や病状など大事な個人情報を扱う医療や介護、福祉の現場では、LGBTの人たちが施設側の理解不足などで様々な困難に直面している。

対応を不安に思って受診が遅れ、病気をこじらせてしまう人も多い。放置しておけない問題だ。

精神面で問題を抱える性的マイノリティの支援団体「カラフル@はーと」共同代表で、看護師でもある浅沼智也さん(29)にLGBTが医療や福祉で直面している壁についてお話を伺った。
【BuzzFeed Japan Medical / 岩永直子】

トランスジェンダーの看護師が見てきた医療現場の問題

浅沼さんは、女性から男性のトランスジェンダーである看護師だ。

短期大学の看護専攻で学んでいた時からホルモン注射で身体の男性化を始め、戸籍上の性別を変えないまま就職活動をした。最初の病院は「戸籍と見た目が違うと対応がわからない」と告げられ落とされた。

結局、大学病院に就職して、周囲には隠して働いていたが、2年目にいつの間にか、トランスジェンダーであることが勝手に広められていた。

「男性の医師には、『あそこってどうなってるの?』と興味本位に聞かれ、患者さんにも『顔も中性的だと思っていたけれど、そうだったんだね』といきなり言われました。患者にまでバラされていたのです」

同僚に対してもそんな無神経な態度だから、LGBTの患者への対応も全く理解がなかった。

最初に配属された救急救命科では、男性が急病で意識のないまま運ばれてきて、明らかにパートナーと思われる男性が付き添っているのに、医師は離れて暮らす家族を別に呼んで、そちらに病状説明をし、治療の同意を求めた。

「男性のパートナーと言えば女性を想定しているので、目の前にパートナーがいるのに気づこうともしない。私は新人看護師でまだ新人教育を受けている時でしたから、上司に申し入れもできずに悔しい思いでいました」

戸籍と見た目が一致しないトランスジェンダーの人への入院対応も、戸籍上の性別重視で、本人が自認する性に合わせた部屋があてがわれなかったりもした。

自身も奇異の目で見られる日が続き、うつ病になって辞めた。

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最終更新:10/9(火) 11:10
BuzzFeed Japan