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優生保護法国賠訴訟 熊本地裁でも初弁論

10/10(水) 19:44配信

RKK熊本放送

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全国で4か所目、優生保護法の不妊手術は違憲だとして、国を訴えた裁判が、熊本地方裁判所でも始まりました。

国は、他の地裁での訴訟と同じように、争う姿勢を示しています。

「今まで生きてきた証として、是は是、非は非として、提訴しないことには、この世に生を受けてきたことは意味がありません」(原告 渡辺数美さん)

訴状によりますと、熊本県内に住む73歳の渡辺数美さんは、幼い頃に変形性関節症を患い、10歳ごろ、睾丸を摘出する不妊手術を強制されたとして、国に3300万円の損害賠償と謝罪を求めています。

優生保護法をめぐる訴訟は、仙台、札幌、東京の各地裁で審理が始まっていますが、睾丸摘出というケースは他にないということです。

渡辺さんは、今日の裁判で「手術は私の人生を台無しにした。国が人権を無視するような事を絶対にしてはいけない」と訴えました。

会見した弁護団によりますと、国は「渡辺さんの手術は20年以上前で、損害賠償を請求する権利は消滅している」などとして、争う姿勢を示したということです。

原告は「優生保護法に基づいた強制不妊手術は憲法違反である」と主張していますが、国は「違憲性は争点ではなく答弁するつもりはない」としています。

「国は正面から自分達のやったことが何だったのか、過ちであれば過ちとして、きちっと認めることがスタートではないか」(熊本弁護団 東俊裕弁護団長)

「親からもらった命だから粗末にしたらいけないと思って、自殺も思いとどまった。全世界に訴えたい。あまりにも弱いものいじめが過ぎやしませんか?平等に生きる権利があるんです」(原告 渡辺数美さん)

渡辺さんが受けたとする「睾丸の摘出手術」は、他の国賠訴訟や全国の電話相談でも例のないケースで、「幼い頃の睾丸摘出は、骨粗鬆症のリスクが高まる」と指摘する医師もいます。

渡辺さんは、歩くだけで疲労骨折をするなどして、肩や膝、股関節は金属製の人工関節にせざるを得なかったと話します。

「やっぱり人間は、生を受けた以上は全うしなきゃいけないと思うけど、本当に人並みにやっていきたかった。悔いが残る。だから…」(提訴前の渡辺数美さん)

優生保護法をめぐっては、熊本県内で246人が不妊手術を強いられたと見られていますが、国の指示による調査の結果、自治体や医療機関などに個人記録は残されていませんでした。

渡辺さんは、提訴にあたり、手術の痕など、不妊手術を裏付ける診断書と意見書を医師から得て、裁判所へ提出しています。

仙台、札幌、東京、熊本と、各地裁で審理に入る一方、国会では、記録が残っていない人も救済の対象とする法案作りが加速しています。

渡辺さんは「すでに亡くなった方も多いかも知れないが、まだ生きている方々には、これまでの苦しみについて声を上げて欲しい」と訴えています。

次回弁論は来年1月です。

RKK熊本放送

最終更新:10/10(水) 19:44
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