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本庶佑特別教授の特許収入と小野薬品社員の給与はどうなる

10/10(水) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【ノーべル賞 受賞者と研究のその後】

 ノーベル医学生理学賞の受賞が決まった京都大の本庶佑特別教授(76)。共同研究に取り組んだ小野薬品工業(本社・大阪市)の社員ともども大喜びの笑顔であふれている。そこで気になるのが、がん免疫治療薬「オプジーボ」の巨万の売り上げから得られるお金の分配。本庶教授と小野薬品社員の給与はどうなるのか?

 国のライフサイエンス分野の基礎研究投資に危機感を抱く本庶特別教授は、若手研究者のための基金を設立すると発表した。その規模がまたすごく、1000億円程度。原資はノーベル賞の賞金(約6000万円)とオプジーボの特許使用料から充てられる。

 医薬品特許は出願日から20年。実際に利益を得られるのは十数年程度だが、一般的な医薬品特許の使用料6%で計算すると、現在までのオプジーボの売上高は1兆3000億円程度(小野薬品工業と米ブリストル・マイヤーズスクイブの合計)のため、800億円程度の特許収入が発生したことになる。これが丸々本庶特別教授の収入になるわけではなさそうだが、1000億円規模もあながち夢物語ではない。

 では、本庶特別教授の現在の収入はどれくらいか。本庶氏が働く京都大学の定年は65歳。76歳の本庶氏は名誉教授を経て、昨年から京都大高等研究院で特別教授として勤務しており、給与は推定700万~800万円。そのほか、東大、阪大、京大時代に加入していた文部科学省共済年金(現在は厚生年金に移行)が入ってくる(月額平均24万3777円)。

「さらに本庶先生は18年前に文化功労者に選定されており、年額350万円の年金(終身)が国から支給されています」(ジャーナリスト・中森勇人氏)

■小野薬品工業の社員平均年収は?

 本庶特別教授の収入はわかったが、2014年9月のオプジーボの販売以降、売り上げが倍近くに増えた小野薬品工業の社員への還元はどうなっているのか。臨時ボーナスなどの恩恵はあるのか?

「一切ございません。社長の相良暁が言っているように、『当社の使命はできる限り早く、より多くの患者さんに医薬品をお届けすること』です。紅白まんじゅうを配る? それもありません」(小野薬品工業広報担当者)

 同社の昨年の連結売上高は2618億円、このうち薬価が半分に引き下げられた(昨年2月の薬価改定)にもかかわらず、オプジーボの売り上げが901億円。がん専門MR(営業マン)を30人増やし、280人態勢にする計画だ。

 有価証券報告書によると、社員の平均年間給与は905万円(別表)。04年から100万円増えたが、国内1位の売り上げ1兆7705億円を誇る武田薬品の社員平均1038万円からはまだまだ見劣りする。ただし、同程度の売上高で同じ大阪を地盤とする中堅製薬会社、参天製薬の社員平均819万円に比べれば、かなり恵まれている。

「小野薬品は昨年度606億円の営業利益を上げましたが、それを超す688億円を研究開発費につぎ込んでいる。社員への還元はこれからでしょう」(中森勇人氏)