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吉野家、中間決算で赤字転落。もう安い牛丼が食べられなくなるサイン?

10/10(水) 11:40配信

THE PAGE

 大手牛丼チェーンの吉野家が中間決算で赤字に転落しました。ライバルのすき家や松屋も四半期決算では減益となっています。牛丼チェーンに何が起こっているのでしょうか。今後、牛丼チェーンはどうなるのでしょうか。

 吉野家などを運営する吉野家ホールディングスの中間決算は8億5000万円の最終赤字となりました。競合のすき家と松屋は決算時期が違いますからまだ第1四半期の決算しか発表されていませんが、両社とも減益となっており、吉野家だけが低調というわけではなさそうです。

 赤字決算の原因は販売不振ではありません。吉野家に来店する客数は上期で3.7%増となっており、売上高も伸びています。それにもかかわらず赤字決算となってしまったのは、人件費が高騰しているからです。

 吉野家には9000人近くのパートやアルバイトが働いており、はなまるや京樽などを含めたチェーン全体では1万7000人にもなります。首都圏などでは時給1000円でパートやアルバイトを雇うことはもはや難しく、かなりの上乗せをしないと店員を確保できません。同社の人件費は増加の一途となっており、これが利益を圧迫しているという図式です。これは、吉野家だけでなく、低価格をウリにした外食チェーン全体に共通した話といえます。

 外食産業の場合、安易に値上げができないため、各社は利益の確保に苦しんでいます。運送会社や引っ越し会社などはあまり選択肢がないため、顧客も値上げを受け入れる傾向が顕著です。しかし外食産業の場合、多種多様なお店がありますから、ひとつの業態が値上げをすると、顧客は別の業態に流れてしまいます。最近では、外食チェーンはコンビニなど小売店とも競争していますから、値上げには慎重にならざるを得ないというのが現実でしょう。

 最近の人件費の高騰は、景気がよいことが原因ではなく、人口動態の変化による人手不足が原因ですから、今後も長期間にわたって継続する可能性が高いと考えられます。外国人労働者の受け入れ拡大で多少は緩和されますが、諸外国の賃金は急激に上がっていますから、日本だけが低賃金を続けることもできません。

 このままでは外食チェーンは利益を上げられなくなりますから、どこかのタイミングでコストを価格に転嫁することになるでしょう。吉野家の赤字転落は、いよいよ安い牛丼が食べられなくなる時代が近づいていることを意味しているのかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:10/10(水) 11:40
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