ここから本文です

「ハーフでも、ダブルでもない。私は、私」 沖縄・米兵の子どもたちがいま思うこと

10/10(水) 18:13配信

BuzzFeed Japan

沖縄県の新しい知事となった玉城デニー氏の父親は、米海兵隊の兵士だった。しかし玉城氏は、アメリカに帰ってしまった父と会ったことはない。「母子家庭に育った」と自ら語る。沖縄には、同じようなルーツを持つ人々が少なくない。玉城知事の誕生を、どう受け止めているのか。【BuzzFeed Japan / 籏智広太】

【動画】「外人」と呼ばれてどう思う?外国人に聞いてみた

「デニーさんの当選は、同じルーツを持つ子どもたちにとって、希望になるかもしれません」

そうBuzzFeed Newsの取材に語るのは、本部町に暮らす親富祖愛さん(35)だ。

日本人の母と、米海軍の兵士だった父の間に生まれた。玉城氏と同様、父と一緒に暮らしたことは、一度もない。4歳のころ、除隊してアメリカに戻ってしまったからだ。

4人の子どもを持ちながら仕事に邁進した母親と暮らしたことも、ほとんどない。一番うえの兄夫婦が、育ての親だった。

「毎年、クリスマスと誕生日には手紙とプレゼントをもらいました。中学の頃には1度だけ、沖縄に来てくれたこともあった。それが初めての父の記憶です」

「でも、それ以来連絡は途絶えてしまいました。最近になってFacebookで連絡を取り始めたんですが、アメリカにも家庭を築き、『後ろめたさ』を感じてしまったのだそうです」

身近にあった米軍基地には、複雑な気持ちを抱いていた。

「もし日本とアメリカの間で戦争が起きたら、どっちの味方につくんだろうと、いつも悩んでいたんです」

基地があるから、自分が生まれた。でも、基地がなくなれば、自分が否定されることも、悩むこともなくなるはずだーー。そんなことを考えていた、という。

見かけが違うだけで、”外国人”にされてしまう

幼いころは、「見た目が違う」ことを理由に、周囲の人たちから心無い言葉を投げられた。肌の色や、父親のことを揶揄するものだった。

「子どもながらには、キツかったですね。自分に似た父が一緒に暮らしていたら、自分を尊重して生きられたと思う。でも、父はいなかった。そんな言葉を投げつけられた時、どう戦っていいのかも分かりませんでした」

自分は、仲間たちに支えられ、そうした壁を乗り越えてきたという自負がある。

しかし、どこかで「自己肯定」ができていない状態は、大人になっても続いていた。たとえば、視線を感じる人混みが苦手、という点でも。

「今でも言われることもありますよ。たとえばカフェで働いていたときは、日本語は通じるの?とか。日常の些細なことで、言われるんですよね。ちょっとでも見かけが違うだけで、外国人にされてしまう。それが、日本なんです」

3人の子どもがいる。自分に似た長男は、小学校で同級生から、やはり同じような言葉を投げつけられてきた。

「小さい頃はこんな社会は変わると思っていた。けれど、変わらなかったんですよね」

1/2ページ

最終更新:10/11(木) 0:44
BuzzFeed Japan