ここから本文です

ミャンマーでの普及率は今や80%  スマートフォンが変える農業の未来

10/10(水) 17:54配信

FNN PRIME

農村でも欠かせなくなったスマホ

ミャンマーの最大都市ヤンゴンから車で1時間半。
グアバ栽培を営むトゥーンゾウさんが畑仕事に出るときに欠かせないのは、枝切りはさみと、伝統衣装に挟んだ「スマホ」。
都市部から遠く離れたところに住むトゥーンゾウさんが、収穫したグアバの市場価格や、適切な農薬の使用方法・量といった情報を知るためには、バイクで1時間以上かけて、農業用品の店やマーケットに行き、直接聞くしかなかった。

(画像)学生が開発したアプリで農業革命

ところが、3年前に初めてスマホを買い、とある農業専門のアプリを入れてからは、自分の畑に居ながらにして、必要な情報を簡単に入れることができるようになったのだ。

「価格交渉」で勝てる武器にも

スマホを手に入れる前は、グアバを売る時や農薬を買う時にも、事前に相場価格を知るのは難しく、店の言い値で売り買いする以外に方法は無かった。
ところが、今では事前に価格をスマホで知ることができるため、作物を売る際の交渉などでも大きな威力を発揮しているという。

スマホ所有者は3%から80%に

3年前、ミャンマーでのスマホ所有者は全体の3%程度に過ぎなかった。
ところが最近では数千円程度で買える格安スマホが市場に出回ったことや、かつては3000ドル近くもしたSIMカードがわずか1.5ドルにまで値下がりしたことで庶民の間でも急速に普及が進み、今では80%以上の人がスマホを持つようになった。

それまで大半の人はパソコンを持たず、インターネットを使っていた人もごく少数だった。
「はじめてのスマホ」はインターネットとの初めての出会いを意味し、ミャンマー社会に大きなインパクトをもたらしている。

アプリで農業にも革新を

ミャンマーのGDPのおよそ30%を占める農業セクターは軍事政権時代に孤立し、新しい技術から取り残されていたため生産性の低さが問題となっている。
特にトゥーンゾウさんのような小作農は、改善するための知識や情報を得るのが難しく家族や知り合いが実践している方法をそのまま踏襲するのが一般的だった。

このように取り残された多くの農家を支援しようと農学部出身の創業者2人が立ち上げたのが、無料の農業支援アプリ「Green way(グリーン・ウェイ)」だ。

これまで2500人の農業専門家がボランティアで参画し、アプリのユーザーに対し、肥料や病害への対策法といった農業に関するアドバイスを提供している。
このアプリのダウンロードは8万近くに上る。

さらに多くの変革も

ミャンマーの農家は生産性の低さから多くの人が農業だけでは食べていけないとして、隣国タイやほかの国に出稼ぎをしている。
全国に広がったスマホは今後、ミャンマーの農業や、社会を発展させる起爆剤になる可能性を秘めていると言える。

(執筆:FNNバンコク支局長 佐々木亮)

最終更新:10/10(水) 17:54
FNN PRIME