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後期高齢者の自己負担割合、引き上げに賛否両論 - 社保審・医療保険部会

10/10(水) 22:20配信

医療介護CBニュース

 社会保障審議会の医療保険部会は10日、政府の「経済・財政再生計画改革工程表」に盛り込まれている医療保険に関する検討項目などを議論した。後期高齢者(75歳以上)の自己負担割合の2割への引き上げについては、早急な対応を求める意見と、反対する意見が上がった。【松村秀士】

 改革工程表では、▽医療保険での後期高齢者の窓口負担(自己負担)の在り方▽外来受診時定額負担の在り方▽薬剤の自己負担の引き上げ▽金融資産を勘案した負担―について検討し、2018年度末までに結論を得るとしている。

 この日の会合で、現在は1割(現役並み所得者は3割)とされている後期高齢者の窓口負担割合が議論の俎上に載り、保険者側が2割への引き上げを改めて求めた。

 佐野雅宏委員(健康保険組合連合会副会長)は、「この10年間で前期・後期高齢者の拠出金の全体の額は1兆2000億円。2025年までにこの拠出金がさらに2兆円増える」と説明。その上で、「後期高齢者の自己負担増加は避けて通れない」とし、負担割合の引き上げについて早急に結論を得て、実行する必要があるとの考えを示した。

 安藤伸樹委員(全国健康保険協会理事長)は、加入者が約50万人に上る人材派遣健康保険組合が解散を決定したことに触れ、「高齢者医療費に対する現役世代の負担が大きなウエートを占めているため、現役世代の保険料が限界水準に達していることを示している事例だ」と指摘。後期高齢者の自己負担割合の引き上げについて「早急に結論を得る必要がある」とした。

 これに対し、兼子久委員(全国老人クラブ連合会理事)は、窓口負担割合が増えた場合、後期高齢者は以前よりも医療機関の受診を避けるようになり、結果的に病気の早期発見・早期治療が遅れる可能性があると主張。負担割合の増加には「基本的に反対だ」と述べた。

 松原謙二委員(日本医師会副会長)も「後期高齢者の多くは裕福ではなく、むしろぎりぎりで暮らしている。若い人たちが75歳以上の人の医療費を支えるのは間違いだという方向だけで議論するのは間違っている」と述べ、慎重な議論を求めた。

 また、外来受診時定額負担の在り方に関しては、池端幸彦委員(日本慢性期医療協会副会長)が「診療所だけでかかりつけ医機能を担える状況ではない」とし、地域によっては中小病院もかかりつけ医機能を担って効率よく病床を使う必要があるとの考えを示した。

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