ここから本文です

<和歌山>「脱プラ」目指し、カフェが「麦ストロー」

10/11(木) 14:00配信

毎日新聞

 プラスチックごみによる海洋汚染の懸念から使い捨てプラ製品の見直しが世界的に進む中、和歌山市のカフェが地元産の麦の茎で作った「麦ストロー」を使い始めた。ストローはもともと「麦わら」の意。「地産地消」による地域発の環境保護の取り組みだ。

 カフェは和歌山市出口甲賀丁のカフェ「くくたち」。店長の正田(まさだ)明日香さん(31)は石川県立大で環境問題を学び、滋賀県の農業法人などで勤務。昨年3月に郷里でカフェを開店し、「生産者と消費者を結びたい」と和歌山県産の果物や野菜を用いた食品も販売している。

 今年に入って国内外でプラ製ストローの使用をやめる動きが拡大し、正田さんは「自分の店でも何とかしたいと思った。数年前に東京都内でたまたま入った飲食店で麦ストローを使ったことを思い出した」と言う。

 そこで普段から交流のある和歌山県岩出市の農家、片岡かおりさん(39)に相談。野菜やハーブを栽培している片岡さんは、害虫を抑え土を肥やす効果があるとされるオーツ麦を畑に植えていた。これまで堆肥(たいひ)として土に戻していたが、ストローへの活用を試みた。

 刈り取った麦を天日干しした後、表皮をむき、茎を長さ約20センチにカットした。太さは3~5ミリ程度で表面は滑らか。くわえても違和感はなく、飲み物に茎のにおいが移ることもなかった。正田さんは8月から希望する客に麦ストローを提供。「普通のストローと変わらない」と評判は上々という。

 現在はプラ製と併用しているが、念のため殺菌処理も行ったうえで全てを麦に切り替える予定。同業者からは「うちの店でも使いたい」との声も寄せられており、販売を検討している。

 正田さんは「小さな一歩だが、環境について考える人が一人でも増えるきっかけになれば」と話している。

 問い合わせは、くくたち(073・460・8137)。【木原真希】

 ◇プラ製廃止 世界で拡大

 廃棄されたプラスチック製品は細かく砕け、有害物質を吸着して海洋生物に取り込まれるなど汚染を起こす。その象徴として、プラ製ストローの使用をやめる動きが各国で急拡大している。

 欧州連合(EU)は今年5月、ストローや皿など一部の使い捨てプラ製品の禁止方針を発表。米コーヒーチェーン「スターバックス」は同7月、2020年までに世界2万8000以上の店舗でプラ製ストローを廃止し、ストローを使わない蓋(ふた)などに替える方針を示した。国内でも外食大手「すかいらーくホールディングス」が20年までの廃止を表明。東京都は今月、都庁の喫茶店で紙ストローを試験導入するなど官民で取り組みが進む。

 脱プラの動きを受け、生活雑貨大手「ロフト」では紙ストローや再利用可能なアルミ製ストローの販売が今夏以降に急速に伸びているという。

最終更新:10/11(木) 14:28
毎日新聞